インドネシア語新聞翻訳
2008年3月30日(日)


寛容であることの重要性を伝える映画「アヤット・アヤット・チンタ」

【ジャカルタ】
 大統領の目から涙がこぼれた。「映画のメッセージが伝わってきて、何度も涙を拭いた」金曜日(3月28日)の夜、中央ジャカルタ市タムリン通りの映画館プラザEXで「アヤット・アヤット・チンタ(愛の章)」鑑賞後、ユドヨノ大統領はこう述べた。

 物語のストーリーや映画監督が小説を映画化する手法はさておき、この映画には重要なメッセージがこめられていると大統領は述べた。ハビブッラーマン・エル・シラジーの小説を映画化したこの作品には、イスラームの文化や教育の特徴がよくあらわれている。

 大統領によれば、この映画の中では「単に表面上だけでなく、価値観をどのように正しく理解するか」が示されており、それが実現すれば世界の人々が違いの中で共存できるようになるという。現在、インドネシアは世界の他のイスラーム諸国と同様に、分裂を避けるため一体感を作り出す努力を続けている。

 「イスラームはよく誤解される。寛容さは全てのイスラーム教徒が学ぶべきことの一つであり、イスラームは平和、愛、寛容そして調和を重んじるものだ。イスラームは暴力を嫌うが、この映画にはそのことが反映されている」と大統領は続けた。大統領は、スタジオ1のE列でアニ夫人、家族全員と共に映画を鑑賞した。

 「大統領と共に映画を見る会」では、ハヌン・ブラマンティヨ監督のこの映画を友好国関係者53人、招待客107人、大臣たちが一緒に鑑賞した。映画に出演した俳優たちも、MDピクチャーズに所属する映画プロデューサー、マノジュ・プンジャビ氏と共に会に出席した。

 この会のために、プラザEX2階の映画館すべて(封切用2ヵ所を含む6ヵ所)がおさえられたが、使用されたのはこのうち3館で、西部インドネシア時間(注1)20:30から約2時間上映された。

 大統領が高く評価した、中東を舞台とした雰囲気あるこのインドネシア映画は、国民が誇るべき作品だ。この映画がインドネシア映画産業の代表作品となることを、大統領は期待している。映画関係者はこの映画の大ヒットを受け、インドネシア映画が興隆し、自国の映画産業の主役となることに前向きだ。

【akb/wed 記者】


注1)西部インドネシア時間:インドネシア時間は、西部インドネシア時間(日本時間−2時間)、中部インドネシア時間(日本時間−1時間)、東部インドネシア時間(日本時間と同じ)に分かれいる。首都ジャカルタは、このうち西部インドネシア時間に属す。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:li0803301kk)

原題:Ayat-Ayat Cinta Ajakan Toleransi
http://www.republika.co.id/koran_detail.asp?id=328443&kat_id=3



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