2007年9月22日(土)

プサントレン・キラットはラマダーン月以外にも必要

この活動は、青少年や若者のイスラーム性形成に有効

 プサントレン・キラット(略称sanlat、以下サンラット、注1)の活動は、ラマダーン(注2)月に活発になる。この活動は、受講者に強い影響を与えうるとされている。

 毎年ラマダーン月に、インドネシア社会で伝統のようになっているこの行事は、受講者に宗教的な知識を与えるだけでなく、彼らの行動様式をよりイスラーム性の高いものに変えうる。

 中央ジャカルタに位置するチュット・ムーティア・モスク協会のウィシュヌ・デワント会長は、次のように述べた。サンラットの慣行がラマダーン月以外にも行なわれれば、よりイスラーム的な生活をすることに大きく貢献するだろう。「サンラットは、学校の休暇時など断食月以外の時にも行われることが望ましい」9月21日(金)ジャカルタにて、チュット・ムーティア・モスク主催のラマダーン・プサントレン第25回受講生開校式の際、同氏はこのように述べた。

 サンラットの活動が、将来的には生徒や大学生の休暇時に行われる活動となることを同氏は期待している。そのためには、教育的役割を失うことなく、同時により娯楽の要素を盛り込んだサンラットを行うための改革が必要だ。

 同氏が提案する活動の一つは、観光と組み合わせたサンラットだ。「宗教講話の形も、一方的な講演形式から、対話型のものに変更されるべき」と彼は発言した。

 同氏は次のように確信している。宗教的な知識を与え、受講者のイスラーム性形成を前面に押し出しつつ、より近代的なサンラットを発展させることで、サンラットは、宗教の知識を探求するのに有効な活動としてさらに親しまれるだろう。チュット・ムーティア・モスク・イスラーム青年部、ユーリア・トリスナ代表は、ラマダーン月以外のサンラットを発達させる案は、すでに役員内の活動議案となっているとし、さらに次のような見解を述べた。

 「学校休暇時のサンラット活動と、歴史のあるモスクなど観光スポットへの訪問を組み合わせる案がある」歴史のあるモスクの訪問は、これまでとは異なる価値のある休暇を提供すること、さらにこのようなイスラーム教徒礼拝地に対し、参加者が敬愛の念を育むことを目的としている。

 「受講者がサンラットを受講した後、モスクに敬愛の念を感じ、それぞれの地域でモスクを繁栄させられる若年層になることを期待する」とユーリア氏は発言した。

 宗教省イスラーム社会指導部、ナサルディン・ウマル総局長は、断食月のサンラット慣行が発展し続け、ラマダーン月以外に行なわれる活動となることに同意している。サンラットは、子供に対する宗教教育の重要性認識を背景として、社会の中で自発的に生まれた。「サンラットの慣行は発展し続け、学生に限らず一般の人々やラマダーン月以外にも拡大される時が来たのだ」と彼は発言した。

 ナサルディン氏は、次のように述べた。教育機関以外でのサンラットの拡大により、その活動はこれまでより影響力が大きいものとなると考えられる。さらに重要なことは、サンラットから得られる成果で、人々が日常生活の行為の中で宗教的価値観を理解できるようになることだろう。

【ade記者】


注1) プサントレン・キラット(サンラット): プサントレンは「イスラーム寄宿塾」、キラットは「短期間」や「早い」を意味する語。イスラーム諸学を学ぶ伝統的イスラーム寄宿塾とは異なり、普段はイスラームを専門に学んでいない人々に対して、短期間(一週間、一ヶ月等)で集中的にイスラームを学習する機会を提供するもの。学生向けに断食中にイスラーム寄宿塾の施設を利用して実施されるもの、成人向けに高級ホテルなどで開催されるものもある。
注2) ラマダーン: イスラーム暦9月 断食月 


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:li0709221kk)

原題:Pesantren Kilat Perlu di Luar Ramadhan
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=307940&kat_id=164



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