2007年5月29日(火)

世界のハラル市場を活用せよ

 世界のハラル(注1)製品の製造販売は急速に成長しており、この分野はイスラム諸国の国民の繁栄を増進するために十分に活用するべきだ。またイスラーム国同士の貿易と投資関係を強化すべきである。

 「ハラルに関する国際基準を強化し、各国がそれに同意することが必要だ。そうなれば、ある国のハラル証明書が、他の国でも問題なく通用するようになる」5月28日(月)マレーシアのクアラ・ルンプールで開かれた第三回世界イスラーム経済フォーラム(WIEF)の基調演説で、ユドヨノ大統領がこのように述べたと、レプブリカの記者ブディ・ラハルジョは報じた。

 ユドヨノ大統領は、ハラル市場のチャンスを活用できなければ、イスラーム諸国は後悔することになるだろうと述べ、次のように説明した。現在16億人に達している世界のイスラーム教徒は、ハラル製品の重要な市場である。そのうえ非イスラーム教徒にもハラル製品を消費している人が多い。実際、世界のハラル市場の取引額は年間6,000億米ドル(約73兆円)に達しており、年に20〜30%の割合で伸びている。

 ユドヨノ大統領のこの発言は、イスラーム諸国からの何百人もの参加者を前にして行われた。ユドヨノ大統領の他に、クウェート首相シェイフ・ナセル・アル・ムハマンド・アル・アフマド・アル・サバーハとパキスタン首相シャウカド・アジスらが演説者として出席した。

 しかし、ユドヨノ大統領は、イスラーム諸国が常に世界の原料供給者となれるわけではないという点に注意を促し、「われわれは商品の付加価値を高めるための投資を検討し、利益拡大を図らねばならない」と述べた。一方、ユドヨノ大統領の前に演説をしたバダウィ氏(注2)は、イスラーム諸国に革新性と創造性を伸ばすよう呼びかけた。マレーシアはイスラーム・ハダリ(注3)概念の下、教育分野と人材育成に投資することで、革新性と創造性の開発を始めている。

 バダウィ氏は、この2つの分野への投資は非常に重要だと述べ、世界の石油産出国を含めたイスラーム諸国において、教育予算の割合が低いことを遺憾とした。「平均すると国内総生産のわずか3.7%にすぎない。教育の分野には、多大な努力と資金源が必要とされている」

注1) ハラル: イスラーム法によって許容されている行為、摂取物
注2) バダウィ氏: マレーシア首相
注3) イスラーム・ハダリ: マレーシア首相アブドラ・バダウィが唱える「進歩的なイスラーム」概念。国内のイスラーム教過激主義派に対抗し、イスラーム教を文明化の原動力と位置づけ、経済成長を志向している。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:li0705291hy)

原題:Manfaatkan Pasar Halal Dunia
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=294721&kat_id=3



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