インドネシア語新聞翻訳
2011年1月20日(木)
【レプブリカ紙】


ムハマディア、タイのイスラーム教徒を支援する

【ジャカルタ】
 ムハマディア(訳注1)は南タイ、パタニのイスラーム教徒を襲っている危機の解決と、和平に向けた努力を支援する。この件でムハマディアは、教育分野で協力体制を築くなど、いくつかの試みをすでに行なっている。

 「端的に言うと、われわれはタイでの異なる信徒間の和平の後押しをしている」とムハマディアのディン・シャムスディン議長は、1月19日(水)ジャカルタのムハマディア本部ビルで、タイの南国境近くの県(訳注2)における平和構築のための諮問委員会を受け入れる際に述べた。

 ムハマディアはすでにタイのイスラーム教徒学生150人に対し、マラン、ジャカルタ、スラカルタなど、ジャワ島に点在するムハマディア大学で学ぶ機会を与えている。この機会はこの先も常に開かれているであろうし、また増える可能性もあるだろう、と同議長は語った。

 教育分野の活性化における協力の他に、両国のイスラーム教徒間で協力できる分野が他にもある、と同議長は語った。そのひとつが伝道活動への参加だ。その方法とは伝道師の相互交流で、それによってそれぞれの地にイスラームの文化と伝統に関するイメージを伝えることになる。

 ムハマディアはまた、BMT(訳注3)のようなイスラーム法に則った小口の金融機関を協力して広めるために、パタニのイスラーム教徒と手を携える用意がある。この金融機関は信徒の福祉を向上させ、貧困者を活性化する努力の重要な部分をなしている。

 南タイの国境県の平和構築のための諮問委員会の議長であるアジズ・ベンワハン氏は、ムハマディアからの協力申し出を歓迎している。南タイのイスラーム教徒は、イスラーム教徒が大部分であるインドネシアなど他の国のイスラーム教徒からの支援と関心を必要としている、と彼は述べている。

 将来、この協力網が、特に教育とイスラーム伝道の分野で、ますます緊密となることを同氏は望んでいる。彼は、ムハマディアがイスラーム教育機関を広める上で実績を持っている、と見ている。


訳注
1) ムハマディア: インドネシアの改革派イスラーム団体
2) 南タイの国境県: マレーシアと国境を接するパタニ、ヤラー、ソンクラー、ナラティワート、サトゥーンなどの各県を指す。これらの県のうち、特に東海岸側の県ではマレー系のイスラーム教徒が住民の半分以上を占める。2004年にヤラー、パタニ、ソンクラーの各県の軍と警察の武器保管基地がイスラーム教徒と見られる武装集団の襲撃を受ける事件が発生。これ以後イスラーム教徒と警察・軍の間の抗争が広がり双方に多くの死傷者を出しているが、抗争の真相については不明点が多い。
3) BMT: バイトゥル・マール・ワッ・タムウィルの略。相互扶助的なイスラーム民間金融組合で日本の講のようなもの。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:in1101201hy)

原題:Muhammadiyah Dukung Muslim Thailand
http://koran.republika.co.id/koran/14/127521/Muhammadiyah_Dukung_Muslim_Thailand


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