インドネシア語新聞翻訳
2010年12月11日(土)
【レプブリカ紙】


日本-インドネシア200兆ルピアの経済協力

【ヌサ・ドゥア】
 インドネシアと日本は、首都圏投資促進特別地域構想(MPA)プログラムにおけるインドネシア経済回廊地帯(訳注1)に2兆円、すなわち200兆ルピアの規模で、投資と工業の振興を図ることになった。

 その資金調達は、政府と民間の協力体制(官民協働)と直接外国投資との抱き合わせになる。資金源は日本とインドネシアの民間企業に仰ぎ、残りは借款になる。

 この合意は、12月10日(金)バリ島ヌサ・ドゥアのウエスティン・リゾートで行なわれた第2回バリ民主主義フォーラムのスケジュールの合間を縫って、ハッタ・ラジャサ経済部門調整大臣と日本の前原誠司外務大臣との間で調印された協力覚書(MoC)の中に盛り込まれた。

 「朝日新聞の記事によると、その額はMPAのためだけで2兆円、すなわち200億米ドルだ。ただし、これは推定でまだ確定ではない。正確な数字はまだ算出中だ」とハッタ大臣は、昨日〔12月10日〕ユドヨノ大統領立会いの下でのMPA協力覚書の調印を終えたあと語った。

 MPAの経済回廊開発によって、競争力をつけるために欠かせない道路や港湾などのインフラを完備した新しい工業センターが生まれるだろう、とハッタ大臣は語った。その工業センターには〔製造業などの〕川下部門が含まれるので、製品に付加価値をつけることができる。

 開発はその立地にふさわしいものにすることが肝要だ。カリマンタンは石油化学、スマトラは油椰子加工の川下産業、パプアは食料生産のそれぞれの中心になる、という具合に。

大量高速公共交通システム(MRT)プロジェクト
 工業化の他に、このプログラムはジャボデタベク地域(訳注2)のインフラ整備にも資金を提供することになる。ジャボデタベクのインフラを整備する具体的なプロジェクトとは、大量輸送システム(MRT)を実現させることだ。地下鉄のジャカルタ南北線は、ルバク・ブルスからドゥク・アタス(インドネシアホテル前のロータリー)までだけでなく、そこからさらにコタ駅まで高架で結ばれることになる。

 それだけではなく、ジャカルタの西部と東部を結ぶ同様の路線が建設される。「これらMPAプロジェクトでは建設を急ぐことが優先される。例えば、MRTの早期建設だ。われわれは南北線だけでは満足しない。東西線その他も必要だ。またそれらの支線も建設しなければならない」と同大臣は続けた。

 MPAのプログラムにおけるインフラ整備と工業建設プロジェクトは、2013年から始められ、2020年の完了を目標としている。2011年と2012年はマスタープランの作成と費用対効果の調査に当てられる。

 前原外相は、日本は港湾、鉄道、およびその他インフラの分野でインドネシアとの協力を継続していきたいと付け加えた。「日本の技術によって、このMPAにかかわるインフラを整備することで、日本とインドネシアの協力関係は高まるだろう」と前原外相は、日本からインドネシアへの投資の追加を約束しながら語った。

 駐日インドネシア大使 M・ルトゥフィ氏は、インフラの整備はインドネシアの投資環境を改善し、日本からより多くの投資家をひきつけることになるだろうと確信している。同氏によると、インドネシアにおける日本の投資は、確かに外国投資の中では最大だ。しかし日本の他国への投資に比較すると、まだはるかに及んでいない。「インドネシアにおける日本企業の数はおよそ400社〔であるのに対して〕、タイでは2000社に近い。その数には大きな差がある」と彼は語った。

 まだ総額が決まっていない MPAプログラムを通じての借款計画の他に、インドネシアは日本から第7回開発政策融資プログラムを通じて83億円、約8300億ルピアの借款を受ける。この借款は投資環境の改善を促進し、貧困を撲滅し、政府の予算を増やすためだ。

 ガジャマダ大学の経済学者スリ・アディニンシー氏は、政府が生産的な活動のために借款をする、あるいは借款が数倍の効用をもたらすなら、その借款は原則として〔インドネシアにとって〕プラスであるという意見だ。「重要なのは、その条件が負担とならないことと、資金が誰かの懐に入ってしまわないことだ」

 ダナレクサ調査研究所の経済学者プルバヤ・ユディ・サデワ氏は、以下のように述べている。日本は借款を与える際の条件が厳しい国として評判だ。新しい借款がインフラ費用に利用されるなら、日本は投資が有用だったとみなすだろう。特に高度な技術を必要とするインフラ整備のためなら。

訳注
1) 回廊地帯: 複数の大都市が連なる細長い人口密集地帯
2) ジャボデタベク: ジャカルタ、ボゴール、デポック、タンゲラン、ブカシの頭文字を取ったもの。ジャカルタおよびその近郊を含む首都圏を指す。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:in1012111hy)

原題:Jepang-RI Kerja Sama Rp 200 T
http://koran.republika.co.id/koran/14/124859/Jepang_RI_Kerja_Sama_Rp_200_T


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