インドネシア語新聞翻訳
2010年9月14日(火)
【レプブリカ紙】


コーラン焼却、非難される

【ジャカルタ】
 テリー・ジョンズが牧師を勤める米国フロリダ州のダブ・ワールド・アウトリーチ・センターは、コーランを焼却する計画を中止したものの、イスラーム教徒の聖典を焼却する行為は相変わらず米国やオーストラリアで起きている。

 このコーラン焼却行為は、インドネシアのイスラーム教徒および知識人に強い反応を呼んでいる。インドネシア・ウラマ・評議会(MUI)(訳注1)議長のムヒッディン・ジュナイディ師は、米国ミシガン州の野蛮なグループとオーストラリアのある弁護士が行ったコーラン焼却を強く非難した。

 「米国政府はミシガン州におけるコーラン焼却行為を捜査するとともに、その実行者を逮捕し、裁判にかけるべきだ」とジュナイディ師は述べた。このMUIの国際関係・協力部門長〔でもある同師〕は、米国政府が米国民に基本的人権を尊重することを教えるよう強く求めた。MUIはまた米国政府にこの種の行為を止めさせるべく具体的な措置を取るよう要請した。

 同師はわが国のイスラーム教徒たちに対し、釣られて同じような行為を取らないよう呼びかけた。「抗議をするのは構わない。しかし無政府的にならないよう、またイスラーム教徒自身に損失を与える挑発的行為を取らないように」と彼は述べた。彼によると、コーランは暴力的行為を行うことをイスラーム教徒に教えていない。

 ジャカルタのイスティクラル・モスク(訳注2)の導師アリ・ムスタファ・ヤクブ師はインドネシアのイスラーム教徒に対して、このコーラン焼却行為に挑発されることが無いよう注意を促した。「われわれは彼らが行った行為を遺憾に思っている。しかし釣られてわれわれが無政府的な行動をしてはならない」とアリ師は表明した。

 南タンゲラン市チプタット町のルフール・ハディース・ダルス・スンナ・イスラーム寄宿塾の指導者でハディース(訳注3)の専門家〔でもある同師〕は、コーランを焼却したり破いたりすることはイスラーム教徒の聖典に対する侮辱行為であると見なしている。彼は米国政府にコーラン焼却の実行者を厳しく取り締まるよう強く要求している。

 「去る8日(水)米国大使がジャカルタのイスティクラル・モスクを訪れ、焼却行為の実行者を厳しく取り締まると語った。それだけでなく、オバマ大統領もコーランの焼却は米国の法の規範に大いに反していると言明した。この彼らの発言のフォローアップは米国政府に任せよう」とアリ師は述べた。

 インドネシア・イスラーム伝道協会議長のシュハダ・バハリ師は、ミシガン州のこのコーラン焼却行為は不寛容な姿勢と行為を示していると考えている。このような行為は、イスラーム教徒はテロリストであると決めつけたブッシュによって挑発された可能性があるとシュハダ師は続けた。

 「オバマ大統領はこの〔イスラーム教徒はテロリストであるという〕疑いを解くべく努めているが、ブッシュ言動はすでに米国国民を毒している。米国民の中には相変わらず聖典コーランを非常に辱める行為をする人々がいる」と彼は述べた。

 同師は全イスラーム教徒に団結を呼びかけた。「この彼らの行為は明らかにイスラーム教徒への挑戦であり、われわれは無政府的ではなく良識ある理論的なやり方でこの行為に対抗するため団結すべきだ」

 バンドゥンの国立イスラーム大学の学長でありインドネシア知識人協会の議長団でもあるナナト・ファター・ナッツイル教授も、このコーラン焼却行為を強く非難した。「イスラーム教徒および他の宗教の信者はこれに刺激されて同様の挑発行為をしてはならない。そうではなく、『宗教間の』関係と協力を高めるべきだ」

訳注
1) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
2) イスティクラル・モスク: ジャカルタの中心、大統領宮殿の近くにある10万人以上を収容するという東南アジアで最大のモスク
3) ハディース: ムハンマドの言行録

(翻訳者:山本肇)
(記事ID:in1009141hy)

原題:Pembakaran Alquran Dikecam
http://koran.republika.co.id/koran/14/119008/Pembakaran_Alquran_Dikecam


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