インドネシア語新聞翻訳
2010年7月1日(木)
【レプブリカ紙】


教育を通じて平和構築を

 【ジョグジャカルタ】
  さまざまな宗教界の要人および平和活動家100人が、ジョグジャカルタで開かれた第3回世界平和フォーラム(WPF)に世界中から集まった。6月30日から7月2日まで行われるこのフォーラムでは「平和教育の普及、戦略的政策の展開、そしてネットワーキング」なるテーマに従って、平和に関する討議が行われる。

 WPFの議長アブドゥル・ムティ氏は、WPFの現在の大きなテーマはこれまで築いてきた方向性を強化することだ、として「われわれは、平和教育を普及させる上で、市民社会の役割を取り上げ、強化してきた」と6月30日(水)ジョグジャカルタで語った。

 さらにムティ氏は次のように続けた。これまで平和を構築するさまざまな試みが、軍事的および政治的な手段によって行われてきたというのが現実だ。これは、いくつかの国や機関に平和部隊が編成されているのを見れば明らかであり、このような手段は現に起きている紛争を解決する際には必要とされる。

 しかし、文化的な性格をもった、すなわち教育ルートを通じた平和構築の努力も必要だ。これはさまざまな要素を巻き込んだシステムを作り上げることで実現可能だが、それには国、社会組織、メディア、および非政府機関の協力と英知が要求される。

 「平和を愛する人々を育成し、調和のとれた社会状況を実現させることができれば、平和な人類を創り出すことができる。それらは教育ルートを通じて実現化させることが可能だ」と同氏は述べた。彼はまた、ムハマディア(訳注1)がこの WPF の開催への参画に積極的であったと付け加えた。

 ジョグジャカルタでのこのフォーラムは、ムハマディアの中央指導部、チェン・ホ・複合文化教育基金、そして文明間対話協力センター(CDCC)の協力で開かれた。ムハマディアがこのフォーラムに参加したのは、世界、特に東南アジアの平和努力に関心を持っているためだ、と同氏は説明した。

 「ムハマディアはフィリピンとタイの平和努力に力を注いでおり、同時にさまざまな国際フォーラムを通じて世界平和を実現させる努力を続けている」と同氏は語った。そのほか、ムハマディアは組織として教育界での活動にも力を入れており、平和に強くコミットする世代を作り上げようとしている。

 パキスタンからの代表カリド・イクラムッラ・カーン氏は、この種のフォーラムを強く支持すると語った。彼は一人のイスラーム教徒として、イスラームのメッセージ、すなわち全ての人のための平和と安全を伝える義務があると感じている。「このフォーラムは平和を実現するための具体的な試みだ」と彼は語った。

 ニュージーランドからの代表モハマド・イクバル氏は以下のように語った。教育は人類にとって非常に重要なことだ。教育を通じて、進歩と繁栄をともに達成するためのあらゆることを教えることができる。そのため教育ルートを通じて行われる平和努力を奨励する。

 一方、ムハマディアの中央指導部議長のディン・シャムスディン氏はこのフォーラムによって、世界のさまざまな国で平和教育を実施するにあたり、互いの経験を分け合うことができるようになることを期待していると述べた。同様の主旨が、インドネシア・ブッダ阿弥陀如来財団の指導者で、多文化協会の創設者であるチム・クン・アン・ホン氏によって伝えられた。

 チム氏は、世界の安全を守るためには自分自身、家族、そして社会の順で始めなければならないと語った。「(まず自分自身で)地域の知恵を生かし、生きとし生けるものを守って手本を示すべきだ。それから、(その姿勢を)家族と社会に伝えてゆくべきだ」と彼は述べた。

訳注1) ムハマディア: インドネシアの改革派イスラーム団体


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:in1007011hy)

原題:Wujudkan Perdamaian Lewat Pendidikan
http://koran.republika.co.id/koran/14/114170/Wujudkan_Perdamaian_Lewat_Pendidikan


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