インドネシア語新聞翻訳
2010年5月24日(月)
【レプブリカ紙】


オーストラリア・インドネシアのイスラーム教徒が〔相互〕理解を実現

 オーストラリアとインドネシアは友好を深め続けてきた。両国のイスラーム教徒間の理解と認識を強化するために、オーストラリア・インドネシア協会(AII)は毎年イスラーム教徒交流プログラム(MEP)のイニシアティブをとってきた。

 MEP は二国のために、それぞれの国の宗教生活をめぐる様々な経験を共有する機会を提供している。土曜日(5月22日)に、オーストラリアの青年イスラーム教徒数名が西ジャワ州バンドンのスナン・グヌン・ジャティ国立イスラーム大学を訪れた。

 そのカンガルーの国出身の青年イスラーム教徒は、バンドンの国立イスラーム大学〔がある〕学園都市から歓迎を受けた。バンドンのスナン・グヌン・ジャティ国立イスラーム大学の企業家活動・提携センター長のタジュル・アリフィン博士は、インドネシア・イスラーム教徒についてのオーストラリア人の知識はまだ非常に限られている、と述べた。

 同博士によれば、オーストラリア人のほとんどがインドネシア・イスラーム教徒がまだ強硬路線をとっている、と考えがちだという。「この活動を通じて、相互理解が築き上げられることを期待します」と同博士は述べた。とりわけ MEP は9年間行われてきたとし、同博士はさらに次のように述べた。

 その間も多くのインドネシアとオーストラリアの青年イスラーム教徒が互いの国を訪れた。「彼ら、オーストラリア人は〔インドネシアを〕訪れ、インドネシアでの宗教生活について多くを学びました」と同博士は述べた。

 同博士によれば、MEP はオーストラリアのイスラーム教徒にとって、宗教生活を学ぶための重要な機会となったという。ましてやオーストラリアでは宗教省は存在しない。「彼らは本当に自らの意識と努力から宗教を発展させました。さらに印象深いことは、彼らがマイノリティー・グループに属することです」

 同博士はさらに次のように述べた。オーストラリア政府は少数派であろうとも、イスラーム教徒の自由と信念を非常に尊重した。同博士の説明によれば、そのことはインドネシアとは非常に異なるという。同博士はこの二国間の提携の形がさらに強化されることも期待する。

 同博士によれば、その提携は二国の政府にお互いに利益をもたらすべきだという。「この二国の社会の人々が互いに理解し合えば、外交関係もさらに強化されるでしょう」

 同博士は次のように述べた。そのような交流は将来のインドネシアのイスラーム教徒たちにとって、英語を磨くための安くて効果的な勉強の機会となる。「そこへ行けば便宜を供与され、そこで学ぶなら、我々青年は心配することはないのです」

 MEP プログラムの卒業生の一人で、バンドン国立イスラーム大学の講師でもあるデデ・シャリフさんは次のように述べた。そのプログラムはオーストラリア当局の〔イスラームに対する〕誤解を弁明する機会となった。彼の説明によれば、オーストラリアに行ったインドネシアのイスラーム教徒はマスメディアも含め、そこでの様々な宗教コミュニティーへの弁明を行った。

 「様々な地域へ訪問することでその対話はなされました」と彼は述べた。彼が初めて訪れた時、インドネシアのイスラーム教徒に対するオーストラリアのマスメディアの見解は、きわめて否定的だった。彼らはインドネシアのイスラーム教徒をテロリストだと考えていた。

 「しかし、弁明後に彼らの認識は少し柔軟になりました」と彼は述べた。彼はスナン・グヌン・ジャティ国立イスラーム大学と同時に西ジャワ州ムハマディア(訳注1)の代表となった。2009年に、彼は二人の仲間とともにオーストラリアに向かった。彼の仲間とはジョグジャカルタ・ガジャマダ大学のアリフ・ムジハルトさんとロンボック出身のラル・アーマッド・Jさんだ。

 彼は次のように説明した。参加したそのプログラムは12日間行われた。その間、彼とその仲間はオーストラリアのイスラーム教徒の様子を仔細に観察した。「これは〔まるで〕市民レベルの訪問のようでした」

 オーストラリアからやってきて、バンドンのスナン・グヌン・ジャティ国立イスラーム大学を訪れた青年イスラーム教徒代表部は、5名からなる。彼ら〔の中に〕は、タメル・ガリルさん、ヒシャム・ムスタファさん、ルフィアト・ユスフさん、マーク・パデルサさんがいた。バンドンへの訪問で、彼らはムタッハリ教育機関(訳注2)も訪れた。

 MEP 出席者の一人であるタメル・ガリルさんは次のように述べた。インドネシアへの訪問は二国にある文化や問題を理解することを目的としており、それぞれの国には独特な問題がある。「そのため、我々はインドネシアで起こったことについて意見を交換したいです」

 ルフィアト・ユスフさんの場合はまた違った。ケルドゥン(訳注3)を被ったこの女性は、女性イスラーム教徒の生活にとても魅了されてインドネシアを訪れたという。「インドネシアの女性イスラーム教徒は広いチャンスをもっています。そのことは彼女らがマスメディアも含めて、何処にでも登場していることから理解できます」
【mj02,ed;heri ruslan記者】


訳注
1) ムハマディア: 改革派イスラーム団体
2) ムタッハリ教育機関: バンドンにある高等学校レベルの教育機関で、イスラーム信仰に関する意識や信者の友愛などを重視している。
3) ケルドゥン: イスラーム教徒の被り物

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:in1005241kk)

原題:Muslim Australia-Indonesia Wujudkan Kesepahaman
http://koran.republika.co.id/koran/14/111684/Muslim_Australia_Indonesia_Wujudkan_ Kesepahaman



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