インドネシア語新聞翻訳
2010年5月14日(金)
【レプブリカ紙】


イスラーム世界と中国との関係緊密化

 アジア宗教者平和会議(ACRP)(訳注1)議長のディン・シャムスディン氏は、イスラーム世界と中国との関係の重要性を強調し、「われわれは両者の関係が今後ますます緊密になることを願っている」と13日(木)本紙に対し語った。

 同氏は、宗教関係者の使節を率いて中国人民政治協商会議主席の賈慶林氏と12日(水)北京の彼の執務室で会談した際、賈氏にこの趣旨を伝えた。賈氏は中国では首相および国家主席に次いで影響力のある No.3 の人物だ。

 この会談には6名の宗教関係者が同議長と同席した。6名とは、インドのヒンドゥー教、日本の仏教、オーストラリアのカトリック、日本の神道、パキスタンのイスラーム教、中国の道教、それぞれの宗教の代表者だ。

 この会談は、5月10日から12日にかけて行われた ACRP 執行委員会会議の一環だった。ディン氏は、イスラーム世界と中国の関係がなぜ重要であるかについては、いくつかの理由あると述べている。

 すなわち、イスラームと中国は世界の二大文明であり、この両者はそれぞれ過去に栄光を築いた歴史経験を持っている。また、一方ではイスラーム世界と中国は大きな人的資源を持っている、と彼は述べた。

 その数はそれぞれ16億人と12億人に達する。この数はイスラーム世界と中国がともに発展を発揮するための潜在力になる。同氏は[イスラーム世界の中でも]特にインドネシアと中国の関係が良好に発展することを期待している。

 現在インドネシアと中国の関係は60年目に入っている。外交関係の重要さのほか、インドネシアは戦略的なポジションを持っている。なぜなら、インドネシアはイスラーム教徒が大多数を占める国だからだ、と同氏は述べた。

 そればかりでなく、同氏によれば、インドネシアに住んでいる華僑の数は世界で最大だ。「インドネシアと中国はこれまで結ばれている良好な関係を護る努力を続けることが必要だ」と彼は言明した。

 中国とインドネシアの外交関係60年の祝賀にちなんで、来る7月にジャカルタとスラバヤで中国とインドネシアの文化展が開催される予定だ。

 ACRP の執行委員会会議に関連して、ムハマディア(訳注2)の中央指導部議長でもあるディン氏は、ACRPはこれまでアジア諸国で宗教を奉ずる信徒の連帯感を育てる上で、役割を果たしてきたと述べた。アジアの発展を支える上でも〔そうだ〕と彼は語った。

 これまで ACRP はアジアでの復興、特に中国とインドが遂げた経済発展を注視してきており、この継続している発展の中で宗教が置き去りにされないことを希望している、と彼は語った。

 その意味は、信徒たちがこの経済発展に相応して発展できるよう宗教が後押しすることが期待されている、ということだと同氏は説明した。


訳注
1) アジア宗教者平和会議(ACRP): アジアの諸問題の解決に向けて、アジア人自身による平和会議を開催したいという宗教者の思いから、1976年に第1回アジア宗教者平和会議がシンガポールで開催された。民族、宗教、国境の違いを超えて、アジアの宗教者が、アジアの直面している政治、経済、社会、文化などの現実的諸問題の解決のために集う会議。(アジア宗教者平和会議日本委員会の公式ウェブサイトより)
2) ムハマディア: インドネシアの改革派イスラーム団体


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:in1005141hy)

原題:Pererat Hubungan Dunia Islam-Cina
http://koran.republika.co.id/koran/14/111011/Pererat_Hubungan_Dunia_Islam_Cina



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