インドネシア語新聞翻訳
2010年1月12日(火)
【メディア・インドネシア紙】


教会襲撃はマレーシアの民族融和を脅かす

 マレーシアで複数の教会が襲撃されたことに対し、マレーシア政府は非難声明を出し、マイノリティー・グループの宗教の自由を保証することを明言した。この保証声明は昨日〔1月11日〕70人の外国人外交官を前にして内務省が行った。

 内務省で1時間にわたって行われたこの説明会で、現在状況はコントロールされているとマレーシア政府は説明した。内務省はまた宗教の多様性という「神聖さを護り」、全国各地の宗教施設への警察のパトロールを強化する旨を約束した。

 内務省は、これらの襲撃はマレーシアにおける人種間の平和状態を破壊しようとする過激主義の人たちによって行われたものだと語った。「これは単なる宗教施設に対する襲撃ではなく、マレーシア全国民の価値観と自由に対する攻撃だ」と内務省では表明している。

 マレーシアの高等裁判所が、昨年12月31日にキリスト教徒が「アッラー」という言葉を使うこと禁ずる政令を取り消して以来、すでに9ヶ所の教会が襲撃の標的となった。これらの襲撃はこの国の人種間の緊張の引き金となった。この襲撃はまたナジブ・ラザク氏が昨年4月に首相に就任して以来「一つのマレーシア」という標語を掲げてマレーシアの全ての人種を一体化させるべく行ってきた努力に対する打撃でもある。

 マレーシアの2800万人の住民のうち、60%が一般的にマレー系住民であるイスラーム教徒で、9%が一般的に中国系ないしインド系住民であるキリスト教徒だ。

 「これらの事件は、[1957年の独立以来]52年間[マレーシア国民として]暮らしてきたが、国家建設および国の一体化がまだ脅かされていることを示している」と国会での野党メンバーであるチャールス・サンティアゴ氏は述べた。「教会に対する襲撃は国際社会におけるマレーシアのイメージを汚すこととなった。」

 イスラーム教徒によるおよそ130のNGOが教会を守ることを申し出ている、と代表ナズィム・ジョーハン氏が述べた。

 ジャミル・キール・バハルム氏は、首相府大臣(イスラーム行政担当)として、緊張を緩和するためにキリスト教信者の指導者たちにアッラーという言葉を使わないよう呼びかけた。国営ブルナマ通信社によると、同大臣は「彼らに警戒をするよう、そしてマレーシアの平和と安全に責任があることを呼びかけている」と述べた。

 この緊張に伴ってアナリストたちは、ナジブ政権はアッラーという言葉の使用を禁止する政令を出したことに対して責任を負うべきだと非難した。彼らは与党であるUMNO(統一マレーシア国民組織)がマレー系住民の支持を得るために人種と宗教の間の距離を作って、イスラームを利用してきたと述べている。「マレーシアは危険な紛争へと向かっている」とモナーシュ大学マレーシア校の政治学者であるジェームス・チン氏は述べた。「少数派は圧迫されており、マレーシアに居場所がないと感じている」と彼は語った。
【Hde/AP/I-1記者】

(翻訳者:山本肇)
(記事ID:in1001123hy)

原題:Serangan ke Gereja Ancam Kerukunan Etnik Malaysia
http://anax1a.pressmart.net/mediaindonesia/MI/MI/2010/01/12/ArticleHtmls/12_01_2010_ 009_003.shtml?Mode=0



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