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インドネシア語新聞翻訳 2009年12月2日（水） 【レプブリカ紙】 インドネシア共和国、〔スイスでの〕モスクの尖塔問題に失望 【ジャカルタ】 インドネシア政府は去る日曜日（11月29日）、スイスで実施された国民投票の結果に失望したことを明らかにした。その57.5％に達した国民投票の結果は、モスクの尖塔建設を禁じている。 「スイスでなされた決定を見て我々は失望した。これは我々が今までに知る極めて公平で寛容なスイス〔の姿勢〕とは正反対だ」と火曜日（12月1日）にジャカルタで、マルティ・ナタレガワ外務大臣は述べた。 同大臣は次のように述べた。基本的な信仰の権利を侵害する差別的傾向がある措置については、それが誰によるものでも、何処でなされたものでも、インドネシアはすべて非難する。したがってスイスでなされた決定を見て、インドネシア政府は非常に失望した。 しかし、全ての関係者はこの件に向きあう上で冷静な姿勢をとるようにと、同大臣は注意も促した。スイス政府自身もモスクの尖塔建設を禁じる意見に反対していたからだ。スイス政府は当初からインドネシア政府に〔そのように〕説明していた。 同大臣はさらに説明した。〔インドネシア〕政府の見解では、この状況はむしろ宗教間の対話の重要性をさらに深めることになるという。対話は既存の問題を解決し、信者間にさらに調和した関係を実現できるはずだ。 ナフダトゥル・ウラマ理事会（略称PBNU、訳注1）のハシム・ムザディ総裁も、国民投票の結果に対して遺憾の意を表した。「これは信仰の自由に対してスイス社会の寛容性が欠如していることを示しており、誠に残念だ」と同総裁は述べ、このことはアンタラ通信社も掲載している。 しかし同総裁によれば、現在全世界には信者間で互いに尊重しあうという姿勢が生まれているという。〔異宗教〕に対する禁止や差別が、他のヨーロッパ諸国に違う形で伝わらないことを同総裁は期待する。 同総裁はさらに次のように述べた。現在イスラーム諸国の中には、他の信者が宗教の教義を行なうことを禁じている国はない。したがって本来ならばスイス政府および社会は、異宗教への寛容性を深めるべきだ。 またスイスのイスラーム信者は民主主義社会での自由に準じて、いつでも正当に伝道を行なうべきだ。ナフダトゥル・ウラマ理事会はその方針についての十分な説明を求めるため、スイス大使館に文書を送付するつもりだという。 去る2009年10月14日に、在インドネシア・スイス大使のベルナルディーノ・レガッツォーニ氏がナフダトゥル・ウラマ理事会を訪れ、モスクの尖塔建設禁止事件について説明する機会があった。〔スイス〕政府と議会はそれに反対していると同大使は説明した。 賢明な姿勢を要する 一方ムハマディア（訳注2）の中央指導部議長であるグッドウィル・ズべイル氏は、その禁止がそれぞれの国の権利であることは確かに認められるべきだが、スイス政府が自国に存在する諸宗教に対して公正な姿勢をとることができれば、なんと賢明で分別があることだろう、と述べた。 「イスラーム人口が〔世界〕最大の国家における社会組織の一つとして我々は、モスクの尖塔建設も含めて、宗教的義務を行なう上での自由をスイス政府および他の諸組織が国民に与え許可することを呼びかける」とし、同氏はさらに述べた。 数年前にローマのバチカンでも同様の問題が起きたことがある。当時インドネシアも含めて17国からの支持を受け、バチカン〔市国〕に一軒のモスクが建設されることになっていた。当初はそこでの建設計画は国民から反対されていた。 しかしローマ教皇であるヨハネ・パウロ2世の賢明な行動により、そのモスクの建設は許可されたという。最終的には立派で頑丈な一軒のモスクが建設された。（訳注3）その後数年に渡り、そのモスクの尖塔建設計画に対する論争が起きたこともあった。 同氏によれば、その議論もおさまり尖塔の建設が可能になったという。ローマ教皇はその問題でも再び賢明な態度を示したのだ。バチカン〔市国〕はカトリック教の中心地といわれているにも関わらず、〔他の〕宗教を受け入れることができた。 「この様な事柄こそ考慮に入れ、スイス政府はモスクの尖塔建設を許可するべきではないだろうか」 【Rahmat Santosa Basarah.Ed:ferry記者】 訳注 1） ナフダトゥル・ウラマ： インドネシアの伝統主義的イスラーム組織 2） ムハマディア： インドネシアの改革派イスラーム団体 3） 本記事では「建設された」と記されているが、実際には建設された事実はない模様である （翻訳者:川名桂子） （記事ID:in0912021kk） 原題：RI Kecewa Soal Menara Masjid http://www.republika.co.id/koran/14/92922/RI_Kecewa_Soal_Menara_Masjid ISEA インドネシア語新聞翻訳 TOPへ ISEA TOPへ |