インドネシア語新聞翻訳
2009年11月20日(金)
【デティック紙】


宗教大臣:メッカ巡礼者に年齢制限なし

【メッカ】
 スルヤダルマ・アリ宗教大臣は、インドネシアのメッカ巡礼者の年齢制限に厳しい規定を施行しないことを明らかにした。インドネシアの人々の巡礼活動における文化を理解してのことだ。

 「メッカ巡礼活動を尊重するならば、インドネシアのイスラーム信者の文化についても我々は理解するべきだ。独断的な〔年齢〕制限はできない。年配の者はおろか、若者さえもここメッカ、メディナで亡くなることを希望している。したがって健康や年齢は問題とはならない」祖国からフライトグループ75JKS(訳注1)に同行し、木曜日(2009年11月19日)サウジアラビア時間の昼、ジェッダのキング・アブドゥル・アジス空港に到着した際の記者会見で、巡礼メディアセンター(MCH)の報道陣に対して同大臣はそのように述べた。

 同大臣によれば、人間の生活において〔年齢は〕相対的なものであることから、はっきりと年齢制限をすることは難しいという。「先ほど私が同行した巡礼者の中には70才どころか80才の者もいたが、彼らはいつも元気で気迫に溢れていた。私は感心した」

 これまで得られてきた様々な情報によれば、年配のインドネシア人巡礼者のほうが、カアバ聖殿を早く見たいというモチベーションが非常に高いという。彼らは早く到着するためには歩くこともいとわない。「彼らはカアバ聖殿を見るやいなや元気が出て、気分も高揚するからだ」

 インドネシア人巡礼者に高いストレスがかかっていることについて、普段の生活とはあまりにかけ離れた状況を経験する者にとっては、それは極めて当然のことだ、と同大臣は述べた。常日頃、祖国では妻もしくは夫と一緒に寝ている巡礼者が、突然一つの部屋の中で8-10人の人たちと寝泊りするのは困惑する、ということを同大臣は例に挙げた。

 「要望も違うし、ランプが点いている方がよい者もいれば、消えている方がよい者もいる。エアコンを好む者もいれば、扇風機を好む者もいる。以前に全く経験したことがない、長い間飛行機に乗ることについてもトラブルにはなっている」

 来年2010年のメッカ巡礼運営において、マスジディル・ハラーム(訳注2)からの距離が4kmある最も遠い宿舎に、インドネシア人巡礼者を宿泊させる試みについて、同大臣は報道陣に対して重ねて明言した。しかし最も近い場所に巡礼者を宿泊させることに関連して、メッカ巡礼運営費を値上げする可能性については、同大臣自身もまだ分からないとした。

 さらに、手頃な価格でサービスを向上させる必要性に関してコメントを求められ、同大臣は逆に質問した。「価格を抑えてサービスの質を向上させるなんて、どうすればいいのかね?」
【zal/nvc記者】


訳注
1) フライトグループ: メッカ巡礼に行く際、出発地域ごとに結成されるグループ。出発地域に加え、それぞれのグループに番号がつけられる。グループごとに人数の差があり、100人程度のものから数百人に及ぶものもある。それぞれのグループに医師等の役員が同行する。本記事の 75JKS はジャカルタから出発したグループの一つと考えられる。
2) マスジディル・ハラーム: 聖地メッカの聖モスク。その中にイスラームの聖殿であるカアバがある。巡礼者は、カアバの周りを反時計回りに7周するタワーフと呼ばれる儀式を行う。

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:in0911205kk)

原題:Menag: Tidak Ada Pembatasan Usia Jamaah Calhaj
http://www.detiknews.com/read/2009/11/20/011325/1245300/10/menag-tidak-ada-pembatasan-usia-jamaah-calhaj



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