インドネシア語新聞翻訳
2009年9月26日(土)
【レプブリカ紙】


4万人以上のメッカ巡礼予定者に未だパスポートが発行されていない

【ジャカルタ】

 2009年にインドネシアからメッカ巡礼に出かける予定者のうち、約4万人がまだ緑色のパスポート(訳注1)を手にしていない。9月25日(金)現在で宗教省に入っているデータは、合計20万7千人のメッカ巡礼予定者に対し、やっとその80%、約16万人分だけだ。聖地メッカへの巡礼者の出発が来る10月23日から始まるというのにもかかわらず、だ。

 この情報は、宗教省のメッカ巡礼実行委員会事務局長秘書のアブドゥル・ガフール・ジャワヒール氏によって25日(金)ジャカルタで本紙に伝えられた。ガフール氏は、この手続きの遅れは行政上の問題およびインドネシアのメッカ巡礼者のパスポートが茶色のものから緑色のものになるという規則の変更があったことによる、としている。

 「茶色のパスポートから緑色のパスポートへの変更が、出入国管理局におけるパスポートの作成に少々障害になっていることは明白だ」と彼は述べた。ガフール氏は、出入国管理局の事務所は全国で108ヶ所に存在するに過ぎず、インドネシア全国に広く460の事務所を持つ宗教省と比較することはできない、と語った。

 彼は、8つの町および県に対して出入国管理局の事務所が2つしかない〔ジャワ島西部でジャカルタ首都特別州に隣接する〕バンテン州を例として挙げた。「ジャワ島外になると出入国管理局事務所の数は更に少なくなる」と説明した。他の問題は、パスポート申請を個人的に行うメッカ巡礼予定者がいることだ。他の人と一緒に、あるいはグループで申請すればその手続きはもっと早くなるにもかかわらず、とガフール氏は語った。「パスポート作成がグループ単位でないと、巡礼予定者のうちすでにパスポートを持っている人とまだ持っていない人をデータ化するのは難しい」と彼は説明した。

 一方、国民議会第8委員会(訳注2)議長のハスルル・アズワール氏は、このパスポートの問題に懸念を表明した。彼はこの問題が早い期間に解決されることを願っている。「10月23日の出発までまだ何日かある。われわれは宗教省がこの問題を早急に解決できることを願っている。〔この問題を〕ただちに解決するために、巡礼予定者からの協力も望まれる」と言明した。

 ハスルル氏は、いくつかの地方で、特に孤立した地域で、多くの巡礼予定者が緑色のパスポートを入手するのに困難な目にあっていると述べた。「それだけでなく、〔スマトラ島北部に位置する北スマトラ州の〕メダンでは、すでに緑色のパスポートを持っている何人かの巡礼予定者が、シスコハト(注3)にエントリーすべく出入国管理局事務所に登録に行ったところ、データがインプットできなかった」と明らかにした。

 一方、国民議会第8委員会の委員であるヒルマン・ロシャド氏は、この問題が聖地メッカへ巡礼者が出発するまでに解決することを期待している。「写真と指紋を取ったあとパスポートを印刷するのに、一冊当たり10分から15分と、比較的長い時間がかかる」とヒルマン氏は述べた。

 ヒルマン氏は第8委員会の他の委員と共にいくつかの出入国管理局事務所で、巡礼者用の緑色パスポート作成プロセスのチェックを行ったと述べた。

 ヒルマン氏は緑色のパスポートの作成が、各巡礼予定者、特に現在まだ待機者リストに載っている人たちに対して、なるべく早く行われるよう希望した。「われわれは来年の巡礼予定者には、今から緑色のパスポートを作っておくように呼びかけている」

 「そして、政府には出入国管理局の限界を突破するために、移動式のパスポート作成機を準備して欲しい」とヒルマン氏は付け加えた。一方、すでに宗教省のシスコハトのデータに入っているパスポートは、ビサ取得のため直ちにサウディ・アラビア大使館へ引き渡されることになる。現在、ビサを取得している巡礼予定者はやっと30%、すなわち6万人に達したところだ。

 「これら全ては(パスポートとビザのこと。レプブリカ編集部注)出発のときまでに終わらせることができる、とわれわれは楽観している。巡礼予定者に応対している出入国管理局の係官は土曜日も出勤している。彼らは巡礼者に応対するため残業する心構えだ」とガフール氏は語った。

訳注
1) 緑色のパスポート: 表紙が緑色をした一般向けの国際パスポート。従来インドネシアはメッカ巡礼者に対して、表紙が茶色の巡礼者用特別パスポートを交付していた。しかし、サウディ・アラビア政府から今後国際パスポートを使用するよう要請が出されていた。(詳しくは2009年6月25日掲載記事 「メッカ巡礼用に23万人分のパスポートを準備」を参照)
2) 国民議会第8委員会: 宗教、社会、そして女性のエンパワーメントに関わる問題を担当する委員会
3) シスコハト: 直訳は「メッカ巡礼者コンピュータ化統合システム」。各州の宗教省と巡礼費用分担金受取銀行および巡礼費用清算局とをオンラインで結ぶコンピューター・ネットワーク。

(翻訳者:山本肇)
(記事ID:in0909261hy)

原題:Lebih 40 ribu Calhaj Belum Berpaspor
http://www.republika.co.id/koran/14/78033/Lebih_40_Ribu_Calhaj_Belum_Berpaspor


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