インドネシア語新聞翻訳
2009年6月25日(木)
【レプブリカ紙】


メッカ巡礼用に23万人分のパスポートを準備

【ジャカルタ】
 宗教省はメッカ巡礼のお勤めを果たすために2009年に使われるパスポートの種類を未だ決めていないが、法務人権省移民局長は今年のメッカ巡礼の季節(訳注1)に巡礼団が出発する際に必要なパスポート23万人分をすでに準備している。

 アンタラ通信社が引用しているが、バシル・バルマウィ移民局長は23日(火)夜「われわれは巡礼団のためにすでに23万人分のパスポートを注文している」と明らかにした。バシル局長は、この準備は世界各国からの全てのメッカ巡礼団に国際パスポートの携行を義務づけているサウディ・アラビア政府の規則に関連するものだと語った。

 インドネシアは、今年のメッカ巡礼の季節にはこれまで通り巡礼団専用の茶色のパスポートを使いたいと要請しているが、サウディ・アラビア政府はこれを拒絶する可能性が強いと本紙の情報筋は述べている。「例外はない。インドネシアを含め全ての国が国際パスポートを携行すべきだ」とサウディ・アラビア大使館員から情報を得たある情報筋は述べている。

 ムハマド・マフトゥー・バシュニ宗教大臣は、今年のメッカ巡礼団はまだ茶色のパスポートートが使えるだろうと、23日(火)にジャカルタにおいて開かれた地方代表議員会議第3特別委員会(訳注2)との作業部会で、楽観的に述べた。この作業部会は第3特別委員会議長のファイサル・マフムド氏が議長を勤めた。

 同宗教大臣は、「サウディ・アラビア政府が依然として全てのメッカ巡礼団に対し、国際パスポートの携行を義務付けるのならば、インドネシア政府はそれに従うだろう。われわれは良き客として、ホスト国に言い分を通すことはできない」と述べた。彼は、インドネシア政府の要請の手紙に対するサウディ・アラビア政府からの回答をまだ待っていると述べていた。

 全てのメッカ巡礼団に対して国際パスポートを適用することは、2008年12月3日付サウディ・アラビア巡礼大臣の回覧文書によって定められた。マフトゥー宗教大臣は2009年1月9日にサウディ・アラビアの巡礼大臣に手紙を出し、インドネシアからのメッカ巡礼団に対するパスポート適用の緩和を要請した。同宗教大臣は2009年5月24日に政策立案者であるサウディ・アラビアの内務大臣にも手紙を出した。

 アグン・ラクソノ国民議会議長は、2009年3月3日に在インドネシア・サウディ・アラビア大使に(国際パスポート適用)免除の要請を提出した。また、3月30日にインドネシアの外務大臣からサウディ・アラビアの外務大臣に対して(異議を唱える)外交文書が在インドネシア・サウディ・アラビア大使を通じて渡された。「現在までまだはっきりした回答はない」とマフトゥー宗教大臣は述べた。

 移民局長は、23万人分のパスポートを準備したのはインドネシア政府の要請がサウディ・アラビア政府によって断られた場合を見越してのことだと述べた。

 この23万人分というのは2009年のメッカ巡礼季節に必要と予測されている21万人分より多い。21万とは20万7千の実需と3千の予備の合計だ。

 「要するに移民局は巡礼を全面的に支援しており、われわれはその準備をすでに整えている」とバシル移民局長は明言した。もっとも、移民局はメッカ巡礼団の国際パスポート発行に関する技術的な様々な点を討議するために、まだ関係当局と会合を続けていると語った。

 同局長はまた、移民局はこの問題に関し既に宗教省と共同作業に入っており、宗教省の何人かの役人が国際パスポート発行の準備状況を見るために移民局を訪れていることを明らかにした。


訳注
1) メッカ巡礼の季節: イスラーム教徒の義務である五行の1つであるメッカ巡礼は、ハジ(大巡礼)と呼ばれ、イスラーム暦の12月上旬から中旬(西暦2009年では11月25日から30日に相当)に行われる。この季節に巡礼を果たした男性は、名前の前にハジ、女性はハジャという称号をつける。一方、この季節以外の巡礼はウムラ(小巡礼)と呼ばれ、ハジの期間以外いつでも行うことが可能。ただし、ハジ、ハジャの称号は名乗れない。
2) 地方代表議員会議第3特別委員会: 地方代表議員会議には4つの特別委員会がある。第3特別委員会は教育と宗教問題を担当する。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:in0906251hy)

原題:230 Ribu Paspor Haji Disiapkan
http://www.republika.co.id/koran/14/58326/230_Ribu_Paspor_Haji_Disiapkan



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