2007年10月19日(金)

ナフダトゥル・ウラマ、台湾イスラーム教徒と協定締結

【ジャカルタ】
 海外進学を目指すナフダトゥル・ウラマ(注1)の若年層にとっては朗報だ。台湾のイスラーム教徒組織、中華イスラーム教徒協会(CMA)は、ナフダトゥル・ウラマとの教育面での協力を申し出た。

 ナフダトゥル・ウラマの女性イスラーム教徒が、2007年10月13-16日、台湾を訪問した際、その申し出は伝えられた。その協力で、インドネシアと台湾間のイスラーム教徒のつながりがさらに強まることが期待される。訪問時、ナフダトゥル・ウラマ女性イスラーム教徒最高指導部総裁コフィファー・インダル・パラワンサ女史は、CMA会長アリ・マ・ジュフ氏と会談を行った。アリ氏は、ナフダトゥル・ウラマの次世代幹部を対象に、学部、大学院(修士)教育の奨学金を申し出た。一方、ナフダトゥル・ウラマは、女性イスラーム教徒を通じて、インドネシアのCMA協会の女性メンバーを対象に宗教教育を行なう予定だ。

 「彼ら(CMA)は、台湾で学ぶだけの経済力がないインドネシアの若者を対象に、学部、大学院(修士)教育の奨学金を申し出ている。一方、ナフダトゥル・ウラマは、宗教教育の教材や教育方法について知識を深めたいCMAの女性メンバーがいれば、教えることを申し出た」と10月17日(水)ジャカルタでコフィファー女史は述べた。ナフダトゥル・ウラマの女性イスラーム教徒は、台湾のイスラーム教徒が女性宗教教育者を育成するのを手伝うつもりだ。これまで台湾では、女性の宗教教育者はほとんど見られなかった。前述の宗教教育者の存在により、将来台湾でイスラーム教が、早いペースで発展することが期待される。

 女史の台湾訪問の目的は、インドネシア人出稼ぎ労働者、インドネシア人女性出稼ぎ労働者、インドネシア出身の大学生らが主導する会、マジュリス・タクリム・ヤシン主催の断食明けの会に出席することだった。この訪問の際、元女性活性化担当国務大臣で、国家家族計画調整局長でもあった女史は、インドネシア人労働者、女性労働者らと会談を行った。

 台北大モスクで開催された会合では、インドネシア人労働者・女性労働者が、様々なことを訴えた。その中には、彼らを派遣したインドネシア海外労働斡旋企業組合の準備不足により、労働者が様々な問題に直面したことも含まれていた。

 会合で彼らが伝えた問題は様々で、特に異宗教の雇用者が原因となるものが多かった。ハラル(注2)な食品の問題から、一日5回の礼拝を行う困難に至るまで多様だ。台湾の地方の交通運賃が高いことや、インドネシアに戻る際、ジャカルタのチュンカレン空港で搾取の慣行があることも訴えた。

 台湾のマスメディアによると、女史は他の国に比べて遅れているインドネシアの発展問題について繰り返し質問を受けていたという。天然資源の面からは、インドネシアは非常に豊かで国の経済を発展させるに十分であるのに、繁栄が遅れているのは、多くのインドネシア人が海外労働者となっているためだ。

 「インドネシアが実際に直面している問題はいったい何なのか?豊かな天然資源があるのに国民が豊かになれず、多くの人々が海外で労働者になるという事態が起こっているのはなぜか?と聞かれ、私はこう答えました。多くのインドネシア指導者の考え方がまだ遅れていることが原因と」女史は発言した。

 現在、台湾には約10万5千人のインドネシア人労働者が存在し、その内訳は女性労働者9万人、男性労働者1万5千人になる。民族覚醒党会派議員でもあった女史は、インドネシア政府に対し、台湾がインドネシアにとって重要な友好国であるということを考慮し、台湾のインドネシア共和国施設について、明確な態度をすぐに取るよう要請した。現在インドネシアは台湾に商業事務所を置いているだけで、大使館や総領事館はない。それは、台湾と国交がなく、一つの中国政策に従っているためだ。

【rto記者】


注1) ナフダトゥル・ウラマ: 伝統主義的イスラーム組織
注2) ハラル: イスラーム法によって許容されている行為、摂取物


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:in0710192kk)

原題:NU Jalin Kerjasama dengan Muslim Taiwan
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=310624&kat_id=147



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