インドネシア語新聞翻訳
2010年12月11日(土)
【レプブリカ紙】


預言者物語の本がヒット

 ジョグジャカルタの子供たちが今、熱い思いを寄せているものがある。動画でも、漫画本でもなく、映画館で上映されているハリー・ポッターの映画でもない。いや、それらは全く違う。ここコタ・グデ〔ジョグジャカルタの別名〕の子供たちは、預言者たちの物語について書かれている本がお気に入りなのだ。

 「この本は市場でヒットしていて、ここ1カ月間で需要が劇的に高まりました」先日、ジョグジャカルタで〔開催された〕「ジョグジャ・ムスリム・フェア」というイスラーム教徒の本とファッションの展示場で、本の販売員であるアリさんはそう述べた。

 展示会の2日目までで、預言者たちの小説や物語の本は、毎日およそ20冊〔ずつ〕売れている。〔これは、〕ジョグジャ・ムスリム・フェア展示場だけ〔の現象〕ではない。この展示会がまだ開催されていなかった2010年11月の間もずっと、〔アリさんの〕店でこのジャンルの本の売上高は前月と比較して30パーセント上昇していた。

 彼によれば、その本の購入者の大部分が小学生の子供たちだという。「それどころかここ数ヶ月間、我々はそのジャンルの本のストックを切らしていました。しかし、また需要が高まった場合を予測して、今我々は十分なストックを所有しています」その本の販売員であるアリさんはそう述べた。ページ数、印刷や用紙の 質によっても異なるが、その本〔の価格〕は1万-1万8千ルピア〔約100-180円〕といったところだ。

 子供たちが今、漫画本やその他の類似した本に飽きてきたため、預言者たちの小説や物語の本に対する要求が高まってきたのではないか、とアリさんはと考えている。アリさん〔の考え〕は恐らく正しい。しかし、預言者たちの物語の本を購入した若者の一人であるリサさんには、違う理由があった。読んで内容が面白いから、彼女はその本を気に入った。「また知識も深まります。その本を読むことで、預言者の美徳を模範にし、宗教についての理解を深めることができます」と彼女は述べた。

 ジョグジャカルタのマンダラ・バクティ・ワニタタマ〔ビル〕で12月7-13日に開催されているこの展示会は、2010年に3回開催されることになっているジョグジャ・モスリム・フェアの最終回にあたる。この活動には本を始め、イスラーム・ファッション、食品にいたるまで、80の売店が参加している。

テーマはまだ限られている
 子供たちの間でイスラームの本を読みたいという熱意が高まっていることは、もちろん歓迎されるべきだ。子供たちの熱意の高まりを受けて、子供向けのイスラームの本は数多く出版されるだろうと、出版業界は期待されている。

 「多くの出版社がこうした子供の本の市場に目を向け始め、特に子供向けの物語の本も準備しています。しかし、子供向けの物語の本のテーマはまだ限られています」と子供の昔話の本の評論家であるザイナル・ファナニ氏は述べた。

 子供の物語の本のテーマが練り上げられることは何と素晴らしいことか、と彼は述べた。預言者たちの物語を含んだ人物伝についての本が好まれている〔現象〕を見て、彼も満足している。そのような本を読むと、本の中で語られている人物の態度や行動を模範にしようと、子供は夢見て、意識を高めることができるようになる。「そのようにして、子供は想像力を持ち、大きな夢を見て、生活の中でやる気に満ちるようになるのです」と彼は述べた。

 インドネシアの出版業界が出版するイスラームの本は、実際のところ国内だけでヒットしている訳ではない。海外でも、子供向けの作品を〔掲載した〕イスラームの本には十分に関心が寄せられている。それどころか、それらの作品はタイ、マレーシア、フィリピンなどの海外の一部のイスラーム教徒にとって、重要な参考図書となっている。

 一方国内では、イスラームの本を読み、収集しようとする中流階級以上のイスラーム教徒の人々の意識がますます高まっている。

 「このチャンスにイスラーム伝道がますます発展するように、〔イスラームに関する本は〕盛んに読まれるべきだ」先日、イスラーム・ブックフェア賞審査員チーム長であるアズユマルディ・アズラ氏はそのように述べた。

 イスラーム・ブックフェア賞とは、イスラームに関する本で最も優れている作品に対する賞で、〔対象となる〕本のジャンルには子供〔向け〕のフィクション、大人〔向け〕のフィクション、子供〔向け〕のノンフィクション、大人〔向け〕のノンフィクション、翻訳書、イスラーム宗教学者による宗教書も含まれる。今回のイスラーム・ブックフェア賞は第7回目の開催となる。
【Neni Ridarineni. Antara/crl, ed:wachidah handasah記者】

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ed1012112kk)

原題:Larisnya Buku Kisah Nabi
http://koran.republika.co.id/koran/14/124855/Larisnya_Buku_Kisah_Nabi


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