インドネシア語新聞翻訳
2009年12月11日(金)
【レプブリカ紙】


イスラーム教育は環境問題に関心を持っている

【スラバヤ】
 イスラーム教育機関は環境に対する関心を高めてきていた。それが宗教省、環境省、そして国立イスラーム高等教育機関(PTAIN)の間で署名された合意文書によって実現に向けて取り組まれることになった。

 合意文書への署名は、宗教省イスラーム教育局ムハンマド・アリ局長、環境省ヘンリー・ブスタマン次官、そしてインドネシア全国の各PTAINの代表によって、12月10日(火)スラバヤの国立イスラーム宗教大学スナン・アムペルで行われた。

 「この合意書は、このあとすぐに共同作業グループが取り組む共同事業に対する法的な後ろ盾だ。この共同作業グループは、環境の維持・保全に関連するあらゆる事柄のプログラムを組み、それを実行に移す任務を担っている」とムハンマド・アリ局長は語っている。

 宗教省にとってこの合意書は、マドゥラサ校(訳注1)、イスラーム寄宿塾、国立イスラーム高等教育機関など、宗教省の管轄下にある全てのレベルの教育機関において、環境に対する関心を高め、保全活動に取り組む上での法的な支えになる、と同局長は説明した。

 同局長は、緑のイスラーム教育、すなわち環境に関心を持つ教育を実現するにあたっての環境省との協力関係は、すでに長い間続いてきていると説明した。「われわれは環境に優しいイスラーム寄宿塾、すなわちエコなイスラーム寄宿塾を実現するために、すでに長い間互いに協力してきている」

 この協力関係を通じて、各イスラーム寄宿塾は、共同で環境を見守り保全するよう呼びかけられていた、とムハンマド局長は説明した。ただ、最近になってこの協力関係を法の傘の下に入れて欲しいという要望が、イスラーム教育機関の間から出されていた。

 同局長によると、イスラーム教徒は、イスラームが環境に関心を持ちその保全を教えていることを当然知っている。今日見られる環境破壊は人類のなせる仕業であり、それは当然われわれ人類自身に損失をあたえることになる、と彼は述べた。

 これは、人々に教育を施し理解度を高めることが必要なことを意味する。マドゥラサ、イスラーム寄宿塾、そしてPTAINは大衆にとっての教育機関だ。それらの卒業生が環境を大切にし、見守り、保全することが期待される、とムハンマド局長は語った。

 環境教育の実践にあたっては、環境保全に関することを学生の教材にする、あるいは授業科目に入れることが考えられる。さらに、環境問題は学生が実地演習を行う際に応用されることもありうる、と同局長は述べている。

 「学生が実地演習を行う際、彼らが人々に対して、例えば、いかにゴミを加工し利用できるか、あるいは環境に優しいかまどを作るかなどを教えることができる。彼らが『一人の生徒が一本の木を』というプログラムを実行することも考えられる」と述べた。

 同局長は、局長レベルでの合意書の署名がなされたあとは大臣クラスによる署名になる。そしてこの合意書は環境保全を進める上での共同のコミットメントだと説明した。

 スラバヤの国立イスラーム大学スナン・アムペルのヌル・シャム学長は、この合意書ができた後、PTAINの目標は環境に基づいた、あるいはグリーンキャンパスと親しく呼ばれるような教育機関をいかに実現させるかだと語った。

 「インドネシア全国各地にあるPTAINを巻き込んだ合意書があることによって、やがてPTAINの各大学が、環境の監視・保全の主体となることを期待する」とヌル・シャム学長は明言した。

助成金
 一方、宗教省は中部ジャワ州、東ジャワ州、および南スラウエシ州の500のマドゥラサ校に助成金を出した。この助成金の額は1億から10億ルピア〔100-1,000万円〕だ。

 「この助成金交付は、政府のマドゥラサ校に対する関心の表れだ」とスルヤダルマ・アリ宗教大臣は本紙に対するリリースで語った。そして、政府はマドゥラサ校の発展と質の向上を応援し続けると述べた。

 こうしたことにより、マドゥラサ校が普通校に劣ることはない、とスルヤダルマ大臣は説明した。さらには、マドゥラサ校は国民の発展、とくに国民の道徳的な性格を形作る上で明確な貢献ができるように設立されたのだ。


訳注1) マドゥラサ校: 宗教省管轄のイスラーム系の学校。小学校(マドゥラサ・イブティダイヤー)、中学校(マドゥラサ・ツァナウィヤー)、高等学校(マドゥラサ・アリヤー)がある。

(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ed0912111hy)

原題:Pendidikan Islam Peduli Lingkungan
http://republika.co.id/koran/14/95171/Pendidikan_Islam_Peduli_Lingkungan



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