|
インドネシア語新聞翻訳 2009年5月7日（木） 【レプブリカ紙】 マドゥラサ制度の共通化を早急に図る 【ジョグジャカルタ】 一般の学校から取り残されないように、宗教省は全国のマドゥラサ（訳注1）とイスラーム寄宿塾の制度の共通化（訳注2）を図る。一般の学校とマドゥラサの間にはまだギャップがあると、マフトゥー・バシュニ宗教大臣は述べた。 「制度の共通化により、その不足分をできるだけ早く取り戻せることを願う。一般の学校とマドゥラサの間にはまだ多くの相違があると言わざるを得ない。もっとも独立以来、一般の学校は国により管轄されてきたのだから」火曜日（5月5日）の晩に、ジョグジャカルタのクラップヤック・イスラーム寄宿塾で行われた、故アリ・マクスム追悼行事（訳注3）において、同大臣はこのように述べた。 同大臣によれば、インドネシアのマドゥラサとイスラーム寄宿塾は、2003年になって初めて国により管轄されるようになったという。インドネシアのイスラーム寄宿塾とマドゥラサの数は非常に多い。マドゥラサとイスラーム寄宿塾を（実際に）管理監督しているのは宗教省だけだと、同大臣は明言した。 同大臣によれば、インドネシアのマドゥラサのおよそ92%が民間運営だという。また、大多数のイスラーム寄宿塾も個人または民間運営であるため、政府はあまり介入できないという。イスラーム教育組織の共通化を図り、実施したイランの例を模倣することも可能だと、同大臣は述べた。 「30年前のイスラーム革命以来、イランのイスラーム教育組織には重要な見直しがなされてきた。しかしイスラーム革命以前は、我々と同様に、民間のイスラーム寄宿塾がたくさんあった。イスラーム革命後、彼らは初等教育から大学までの（教育組織の）調整と共通化を実施した。それを行うことは可能だ」 しかし同大臣によれば、イスラーム寄宿塾とマドゥラサの所有者には、まだ運営する権利があるという。2003年の国家教育システムについての法律ができる前には、イスラーム寄宿塾とマドゥラサに対する政府の配慮は非常に不足していたという。「その法律ができたのだから、望む、望まないにかかわらず、配慮するべきだ」 同大臣はさらに述べた。現在、民間と国家、またはマドゥラサと一般の学校の間には二分法は存在せず（訳注4）、（ある意味では）むしろマドゥラサの方が優れているとさえいえる。 つまり一般の学校で教えられることは、マドゥラサで教えられているが、マドゥラサで教えられていることは、一般の学校で教えられているとは限らない。 それを前提にすれば、マドゥラサとイスラーム寄宿塾は特に注目されるべきだという。残念なことに、そのことも資金が妨げとなっている。「マドゥラサ等の支援のために、それは望ましいことではない」同大臣によれば、全小学校レベルのマドゥラサの改装工事が今年から開始されるという。また宗教省は、中学校と高等学校レベルのマドゥラサ校舎の改装工事も、来年から行う予定だ。 マドゥラサとイスラーム寄宿塾の制度の共通化計画は、インドネシア共和国国民議会第8委員会（訳注5）のサイド・アブドゥッラー副委員長の支持を得ている。同副委員長によれば、政府は早急にマドゥラサとイスラーム寄宿塾の見直しを行うべきだという。マドゥラサとイスラーム寄宿塾は、物理的にも遅れをとっていると、同委員会は見ている。「私はその共通化に賛成だ。決して遅くはないので、人材やそのシステムも未来に向けて見直されるべきだ」 同副委員長によれば、マドゥラサとイスラーム寄宿塾の遅れの原因となる問題を、宗教省は検討するべきだという。弱点を発見してこそ、宗教省はその遅れを取り戻すために、見直しや共通化を行える。「5年後がさらによくなることを目指して、宗教省は教育施策計画を持つべきだ」 訳注 1） マドゥラサ： 宗教省所管のイスラーム系の学校。小学校、中学校、高等学校がある 2） 制度の共通化： この記事では共通化の内容について具体的には記載されていないが、宗教教育メソッドだけでなく、宗教教育に対する評価や宗教教育の本の共通化などの様々な事柄が含まれると考えられる 3） 故アリ・マクスム追悼行事： 今年はクラップヤック・イスラーム寄宿塾の教育発展につとめたアリ・マクスム師の20周忌にあたる 4） ここでは、2003年の第20号の法律で、マドゥラサも一般の学校と同じように国家教育システムに組み入れられたことを示している 5） 第8委員会： 宗教、社会、そして女性のエンパワーメントに関わる問題を担当する委員会 （翻訳者:川名桂子） （記事ID:ed0905071kk） 原題：Madrasah akan Segera Distandardisasi http://www.republika.co.id/koran/14/48815/Madrasah_akan_Segera_Distandardisasi ISEA インドネシア語新聞翻訳 TOPへ ISEA TOPへ |