インドネシア語新聞翻訳
2009年4月8日(水)
【レプブリカ紙】


イスラーム経済学の導入は段階を踏むべき

【ジャカルタ】
 人々が本当にイスラーム経済システムについて理解するよう、イスラーム経済学は、段階を踏んで体系的に導入されるべきだ。ジョグジャカルタのムハマディア大学経済学研究プログラム長のマシュフディ・ムコッロビン氏によれば、イスラーム経済学の発展のためには(イスラーム経済学の導入は)まず大学レベルから始まり、それから大学以下のレベルに浸透していくべきだという。

 「イスラーム経済学の発展には、まずイスラーム経済学の学士過程の卒業生を育成するべきで、後に彼らは段階を踏んで、大学以下のレベルでイスラーム経済学について教えることができる」と火曜日(4月7日)に同氏は本紙に対して述べた。そうすれば来る数年間に、良質の人材により、イスラーム経済学の教育が小学校レベルでも始められる。つまり高等学校以下のレベルで教える教員たちは、大学のイスラーム経済学の(学士過程)終了生たちということになる。

 イスラーム経済学の発展には、小学校(初等教育)におけるイスラーム経済学のカリキュラムが必要だ。そうすれば、シャリア(訳注1)経済学について理解できるようになる。「イスラーム経済学の授業では、イスラーム経済学の細かいことを教えるのではなく、イスラーム経済学の価値を教えることが重要だ」と同氏は述べた。

 同氏は次のような例を挙げた。キューバの算数の授業では、同国に入ってきたアメリカ軍の数についての質問があった。シャリアに則った計算式のようなシャリア経済価値を導入することで、間接的に、学校の授業科目の中にイスラーム経済学の価値が入ってくる。

 イスラーム経済学がさらに人々の中に根をおろすためには、宗教学者から始まり、公式、非公式の教育機関およびその他全てが役割を持つべきだ。「例えば宗教学者はイスラーム経済に関する研究において、社会の人々の認識を高めるために説明をするべきだ」と同氏は述べた。人材と初等教育のカリキュラムが改善されれば、シャリア銀行や他の金融部門の発展も支援できる。

 イスラーム経済学の導入に際して、ジョグジャカルタのムハマディア大学は、今月か翌5月に中央ジャワ州とジョグジャカルタ特別州で、高等学校レベルの経済学の教員たちのためのワークショップも行う予定だ。

 そのワークショップでは、イスラーム経済満載の様々な経済資料が配られる。

 別の機会に、イスラーム金融開発国際センターのスバルジョ・ジョヨスマルト代表取締役は、次のように述べた。インドネシアのシャリア経済学の発展には、人材の開発が最も重要だ。しかし残念ながら、現在イスラーム寄宿塾やその他の学校で教えられている大多数は資本主義経済学だ。「資本主義の経済システムと比較して、シャリア経済学があるべきだということが、経済学の授業で推進されるべきだ」と同代表取締役は述べた。現在いくつかの学校で、1週間に約2時間のローカル・カリキュラムにおいて、シャリア経済学の授業が導入されている。

 一方、インドネシア銀行・中央銀行教育研究センターのシニア研究員であるアスチャルヤ氏は、次のように述べた。イスラーム経済学の教材の高等学校への導入は、特定の地域で始まったばかりで、支援も一律ではなく非常に難しい。「最も重要なのは、政府と国民議会からの支援だ。そこからの支援があれば、シャリア経済学(の導入)はすぐに始められる」と同氏は述べた。

 シャリア経済学についての理解は、初等教育レベルで始められるべきだ。そのため次の時代のシャリア経済学の発展は、現在の若い世代にかかっている。「また我々の教育も、一人でいくつかの専門分野をもつ人材を育成するべきだ。そうすれば発展も加速度的に早くなる」と同氏は述べた。現在いる何名かの人材は、専門分野が特定の一つのトピックだけに限られているため、(彼らのために)セミナーやワークショップなどが開催されることが重要だ。

訳注1) シャリア: イスラーム法


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ed0904081kk)

原題:Pengenalan Ekonomi Islam Harus Bertahap
http://www.republika.co.id/koran/17/42625/Pengenalan_Ekonomi_Islam_Harus_Bertahap



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