インドネシア語新聞翻訳
2008年7月29日(水)


イスラーム教育上の提携を強化

インドネシア、マレーシア、タイはイスラーム学に強い関心を示す

【メダン】
 「インドネシア・マレーシア・タイ成長の三角地域(以下IMT-GT)」の3ヵ国は、各国の大学を通じてイスラーム経済教育分野における提携強化を策定する会合を行った。IMT-GTの国際セミナーで企画されたこの会合は、各国のイスラーム大学のパラダイムの展開について、情報交換の場となることを期待される。

 北スマトラのシャムスル・アリフィン州知事は、火曜日(7月28日)にメダンのセミナー開催時に次のように述べた。この会合からも、各国でのイスラーム研究の学術的な質について、インドネシア(北スマトラ州・国立イスラーム大学《略称IAIN》)、マレーシア(マレーシア国民大学)、タイ(タイ・イスラーム研究大学)の3ヵ国の関心が高いことは明らかだ。

 「この会合が、3ヵ国とりわけ若年層に対するイスラーム教育の振興に、積極的な貢献ができるよう期待する。そしてこの会合で策定されたことは後に日常生活に応用できる」

 一方、北スマトラ州IAIN のハジ・ムハンマド・ヤシル・ナスティオン学長は、「北スマトラのイスラーム研究におけるイスラーム大学の戦略上の役割」の発表を通じて、次のように説明した。北スマトラにおいてイスラーム理念を紹介した経済研究は、マクロのみならずミクロの経済政策に影響を与えてきた。例えば、この10年間において、経済専門家はイスラームの理念に目をむけ、さらにこれまでの通常の経済システムにその理念を適用させてきた。

 イスラーム経済理念が魅力的なのは、経済問題を解決する上で、より現実的で論理的だと見なされているためと考えられる。

 「この10年間に、経済分野においてイスラーム理念が応用されたのは、イスラームが誠実さと正当性を重視しているからだと私は考える。そして、人が経済活動の対象であるだけでなく、利益を受けてさらに守られる存在となるべきだ」

 マレーシア国民大学のハジ・マイムン・アクシャ博士も、マレーシア大学イスラーム開発局長のファウジ・ハマット教授と共に同様のことを述べた。

 マレーシアでは、知識人たちは、信仰への接し方に関して小さな問題も避けるように求められている。逆に、グローバル時代の解決すべき問題、特にマレー系(注1)の信者を思考、精神、肉体面からどのように育成するかという問題に向き合うことが要求される。

 「つまり、神学分野におけるイスラームの研究では、イスラーム信仰の原理とは正反対の近代的思考から、イスラームが取り残されないように、現在、未来の解決すべき問題に向き合えるようなパラダイム転換のプロセスが踏まれるべきだ」

 「タイにおけるイスラーム研究の挑戦」を発表したユソフ・タレク博士は、次のように付け加えた。国の過去、現在、未来においてイスラームが解決すべき問題の研究は、クメール王朝からビルマ問題の研究にいたるまで、自由を認識する行程の長い歴史に出発点を持つ。

 「タイのイスラーム研究教育は、これまで国民が長く親しんできた仏教の教えと常に隣りあわせだった。このことで、大多数が仏教徒である国民にもイスラーム研究への道が数多く開かれ、彼らが国内の大学を通じて、イスラーム研究に多かれ少なかれ関心を寄せることへとつながった」

【nin記者】

注1) マレー系: マレー人はマレーシア、インドネシア、タイ南部等に住む人々で、イスラーム教徒が多い。マレーシアでは、国民の6割程度をマレー系の住民が占めるとされる。

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ed0807292kk)

原題:Kerja Sama Pendidikan Keislaman Ditingkatkan



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