インドネシア語新聞翻訳
2008年5月21日(水)


イスラーム系大学をトップクラスに

インドネシアにイスラーム研究に関する世界クラスの大学を

【メダン】
 H.M. マフトゥー・バシュニ宗教大臣は、地方、国、さらには国際的なレベルにおいて、イスラーム系大学がイスラーム研究のトップクラスになるよう激励した。そして国際レベルのイスラーム系大学の組織によって、トップクラスへ進む道はすでに切り開かれ始めていると述べた。

 これは5月19日(土)メダンのアル・ワスリアー大学で行われた「東南アジア・イスラーム教育ネットワーク国際セミナー」の席での発言で、このセミナーにはマレーシア・セランゴール州のバイオテクノロジーの開発責任者である、セランゴール大学の教授アブドゥラティフ・イブラヒム博士、マレーシア・クランタン州コタバル市ニラム・プリにあるマレーシア大学イスラーム研究アカデミーの教師モハマド・ムヘデン・アブドゥル博士、ジャカルタの国立イスラーム大学大学院の教授ムスリム・ナスティオン博士も出席していた。

 宗教大臣は、ジャカルタの国立イスラーム大学は、世界クラスの大学を目指して動きはじめていると付け加えた。国際レベルの大学として充たすべき条件は、教授陣の40%が博士号を持っていること、教授たちが年に2本の論文を国際的な研究誌に発表すること、学生の40%が大学院生であることだ。

 さらに、いくつかの地方に国際レベルの大学を置く他、「国際レベルのマドゥラサ(注1)高校の設置をすでに始めており、ジョグジャカルタ、マカッサル、東カリマンタン、ドゥマイ、バニュ・アシン、パレンバン、バタムで開校が計画されている」と説明した。

 宗教大臣によると、いま構想されていることは、全て実際には過去の知識人たちによる長い努力の結果であり、「彼らの記念碑的な業績は、多くの人によって読み継がれてきており、常に引用されている」と語った。

東南アジアのイスラーム
 一方、東南アジアにおけるイスラームの発展に関し、ムスリム・ナスティオン教授はこの地域のイスラーム、特にインドネシアとマレーシアにおけるイスラームは古くから世界の学者の関心の的だったと述べている。また故ファズルール・ラーマン教授は、1980年代に、この地域のイスラームに関し楽観的な見方をしていると述べていた。

 ファズルール・ラーマン教授は当時、イスラームの復興は、中東やその他の地域ではなく東南アジアから始まると話していた。イスラーム研究者であるジョン・L・エスポシトおよびブルース・ローレンスも同様のことを述べている。

 ムスリム教授は「彼らは東南アジアのイスラームは、中東など他の地域のイスラームとは違う特別な性質を持っていると見ていた」と語っている。その性質とは、同教授によると平和かつ友好的、そして違いを尊重し地域の伝統的な性格を尊ぶ寛容性に富んでいることだ。

 イスラームが平和的な性質を伴って東南アジアに広まったことは、より柔軟で理性的なイスラーム、あるいは信仰、宗教的実践、そして地域の伝統に対して非常に順応性のあるイスラームが生まれたことを意味している。

 しかし、東南アジアのイスラームは他の地域のイスラーム、特に中東のイスラームと比較して混合的、あるいは「純粋さに欠ける」と見なされたこともあるとムスリム教授は述べる。それは土着の文化がイスラームの教えの中に入ってきているからだ。

 とは言え、東南アジア、特にインドネシアのイスラームは当初から中東と深いつながりがある。さらにインドネシアのイスラームの発展の歴史を見ると、有名な指導者ないし伝道者の多くが中東の教育を背景としていたことが分かる。

〔訳者注:つまり、東南アジアのイスラームも、本質的に中東のイスラームから外れているわけではないという趣旨。〕

【tid/ant記者】

注1) マドゥラサ: 宗教省所管のイスラーム系の学校。小学校、中学校、高等学校がある。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ed0805211hy)

原題:Universitas islam ditantang jadi pusat unggulan
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=334554&kat_id=6



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