2007年12月23日(日)

テレコム社とレプブリカ紙、企業社会責任の一環としてイスラーム寄宿塾生に対するデジタル教育を開始

イスラーム寄宿塾生にとって、デジタル技術の研修は極めて重要

 あるイスラーム教教師は、急に金曜日の説教を頼まれたが、原稿を用意する時間がなかった。しかし、彼はインターネットの「金曜日の説教」というサイトで、説教の材料を見つけることができた。必要としていたものを短時間で手に入れることができた。

 かつてコーランを学ぶ者は、毎晩礼拝所に行かなければならなかった。今ではデジタルのコーランによって、いつでも自分の好きな時間に学ぶことが可能だ。以前は何千もあるブハーリ・ハディース、ムスリム・ハディース(注1)や、他の古い聖典を揃えるに何冊もの本が必要だった。現在ではこの何千ものハディースと聖典が一枚のCDの中に収められている。

 「デジタル技術には、伝道における必要性も含め、このように多くの効用と便利さがある。そのため、イスラーム寄宿塾生は、デジタル技術あるいはインターネットに通じていることが必要だ」ビジネス・ディベロップメント・リラックス・コムの情報技術部門代表のムハマド・ファーミ・アウリア氏は、テレコム社と当レプブリカ紙が主催したイスラーム寄宿塾生に対するデジタル教育の研修において、このように述べた。イスラーム寄宿塾生に対するデジタル教育は、この両企業のイスラーム寄宿塾に対する企業社会責任(以下CSR)活動の一環だ。寄宿塾生に対する第1期のデジタル教育研修は12月22-23日(土〜日)に西ジャワ州デポクのアル・ハミディヤ・イスラーム寄宿塾で行われた。

 デポックのいくつかのイスラーム寄宿塾から塾生代表が参加するこの研修会は、デポック市長のヌル・マハムディ・イスマイル氏によって開会された。この開会式には、テレコム社から情報技術担当長インドラ・ウトヨ氏、ジャカルタ地域担当取締役部門長アドゥン・アハマド、ボゴール・パサブリの部長、それに当紙の編集長イクワヌル・キラム・マシュリが出席した。

 当紙編集長イクワヌル・キラムは、この活動はイスラーム寄宿塾生たちに、デジタルの世界に慣れる機会を提供することを目的としていると語った。「参加者たちが、この研修で学んだ技術を、それぞれのイスラーム寄宿塾で他の寄宿塾生たちに伝えることで、デジタルに強い寄宿塾生が生まれるのを期待している。デジタル技術に通じ、その技術を広く社会への伝道活動に活用できる寄宿塾生が出てきて欲しい」

極めて戦略的
 イクワヌル・キラムによると、イスラーム寄宿塾生を対象としたデジタル教育は、テレコム社とレプブリカ紙が1年前から繰り広げてきた、教師研修に対するCSR協力を拡大したものだ。「この教師に対する研修をイスラーム寄宿塾に広げることを提案したのは、テレコム社の社長リナルディ・フィルマンシャ氏だ。同氏はその根拠として、イスラーム寄宿塾がインドネシア社会の発展にとって極めて戦略的な組織であること、そしてデジタル技術を理解したイスラーム寄宿塾とその塾生たちは国民の進歩のために重要な役割を担う可能性を挙げている」とイクワヌル・キラムは述べた。

 テレコム社情報技術担当長であるインドラ・ウトヨ氏は、レプブリカ紙が寄宿塾生に対するデジタル教育研修の発足に共同でイニシアティブを取ったことを、高く評価していると表明した。「テレコム社は、このイスラーム寄宿塾生のデジタル教育を全面的に支援している。この活動から、デジタルの技術とデジタル文化を身につけた塾生が生まれ、インドネシア・デジタル・共同体(以下Indigo)を作り上げ、創造と文化と親善を生み出すことに積極的な姿勢を見せることを期待している」と語った。

 寄宿塾生たちにとって、デジタル技術を駆使することは極めて重要だとインドラ氏は言う。「デジタル時代およびデジタル技術は、人類が進歩のためにたどるべき道のりと時間を短縮した。デジタル時代は、人類にとって経済分野も含めさまざまなことを獲得する多くの機会をもたらした。寄宿塾生たちがデジタル技術を理解すれば、さまざまな地域のイスラーム寄宿塾でデジタル共同体が現れるだけでなく、同時にビジネス共同体も現れることを期待している」とウトヨ氏は語った。

 デポック市長ヌル・マハムディ・イスマイル氏は、テレコム社とレプブリカ紙が主催するこの研修会活動を歓迎している。「インターネットは、両刃の剣に例えられる。役立つことも多いが、使い方を間違えると害をもたらす。例えば、教育分野で失敗している人は多い。しかしインターネット利用でビジネスやその他の分野で成功している人も少なからずいる」

技術音痴にならぬように
 ヌル・マハムディ氏は、また寄宿塾生に対するデジタル教育研修は、彼らにインターネットの有用性を教育すると同時に使い方を誤ると危険であることを知らせる上で、重要だと述べた。「この研修は、寄宿塾生が技術音痴にならないために重要で、それによって汚い、無知、技術が遅れているという寄宿塾のイメージを、少しづつ消すことができる」寄宿塾生たちに動機付けを与える集まりにも出席した、ヌル・マハムディ氏は述べた。

 市長は寄宿塾生たちに、インターネットを覚えることには3つの大きな問題があると注意を促した。ポルノと背教と逸楽だ。「建設的な考えを持って欲しい。インターネットを、良い創造性を生み出し自分を一層神へと近づけるための道具として欲しい。インターネットを無益なことをするためのものにしてはならない」とヌル・マハムディ氏は訴えた。

 イスラーム寄宿塾生に対するデジタル教育研修委員会デディック・スパルディオノ委員長は、この研修にはデポックの9つのイスラーム寄宿塾から60人の寄宿塾生と15人の教師が参加したと語った。9つのイスラーム寄宿塾とはアル・ハミディヤー、アル・ヒダヤー、アル・イティハド、アル・カリミヤー、ヌルル・フダ、カトゥルン・ナダ、およびヌルル・ザハラだ。

 彼はこの「イスラーム寄宿塾デジタル世界へ行く」の活動は塾生たちに対する2日間の研究集会の形で行われたと語った。初日の内容は、動機づけとデジタル科学のいくつかの分野に関する必要とされる理論だった。「2日目は、塾生が直接コンピューターでデジタル文書を作成したり、ブログ、インターネット操作、その他を実習した」とデディク・スパルディオノ氏は述べた。

【ika記者】



注1)  ハディース: ムハマンドの言行録。ブハーリおよびムスリムはその編者の名



(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ed0712231hy)

原題:CSR Telkom-Republika Luncurkan 'Santri Indigo'
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=317794&kat_id=3



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