2007年6月30日(土)

インドネシア・イスラーム学生協会、学生のジルバッブ着用禁止を懸念

 バリのインドネシア・イスラーム学生協会の地方代表は、バリの国立校でジルバッブ(注1)着用が禁止されることを懸念している。それは、毎年新年度にジルバッブ着用が禁止されるケースが起きているためだ。

 「学校がジルバッブを禁止する理由は、地方分権化のため学校側に独自の校則を作ることが出来るからだ」と、バリのインドネシア・イスラーム学生協会のアドナン・サリム・カルディアント地方代表は発言した。

    同代表は、6月29日(金)にバリのブドゥグルで、本紙に対してこう語った。インドネシア・イスラーム学生協会は、ブドゥグルで中級レベル研修を行ない、バリ全域からイスラーム学生が参加した。同協会の理事会からは、ポッピ・アディエス・プトラ氏と、タタン・スルヤ・アトマジャ氏も参加した。

 アドナン氏は、次のように発言した。バリでは、これまで何度か新入生にジルバッブ着用が禁止されたことがある。こうした禁止は、中学校・高校で行なわれてきた。

 「禁止によって、彼女達はついにはジルバッブを脱いでしまう」と彼は述べた。国家教育制度の法律で言及している規則に、学校でのジルバッブ着用禁止は明記されていない。しかし、学校側は地方分権のもとで、ジルバッブ着用禁止を決定した。

 一方、インドネシア・イスラーム学生協会理事会の学生活性化部門、ポッピ・アディエス・プトラ氏は、学校でのジルバッブ着用は禁止されないのが望ましい、と発言した。スハルト政権以来、ジルバッブは禁止されていない。「改革の時代(注2)になぜ宗教の自由が、学校で問題になるのか驚いている」と彼は発言した。

 西スマトラ州のように他の地域では、地方政府側が全学生にジルバッブ着用を義務付けている。しかし学校側は非イスラーム教徒の学生に対し、ジルバッブを着用しない自由を与えている。「これは、イスラームが違いを非常に尊重しているためだ。ジルバッブ着用禁止は、国立校の志望者の妨げとなる」

 ポッピ氏は、学校側が1945年憲法の第29条第2項(各国民が宗教の教義を実践する自由を保証)に配慮することを望んでいる。  

注1)ジルバッブ: インドネシアで女性のイスラーム教徒が、人目に触れてはならないとされる頭髪や首、耳を覆うためにかぶるヴェール。
注2)改革の時代: 1998年5月、32年間に及ぶスハルト政権終焉と共に幕を開けた。インドネシアでは、これをきっかけに民主化・改革の流れが進行した。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ed0706301kk)

原題:PII Khawatirkan Larangan Berjilbab Bagi Pelajar
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=298410&kat_id=6



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