インドネシア語新聞翻訳
2010年12月21日(火)
【レプブリカ紙】


ジャカルタの先物取引所、シャリア商品に門戸を開く

【ジャカルタ】
 シャリア・ビジネス(訳注1)の取引はますます広がっている。近いうちにシャリアをベースとした取引がジャカルタ先物取引所(BBJ)にも登場することになるだろう。BBJは商品先物取引において、シャリア・ベースの商品を取り扱うことになる。シャリア商品の先物取引を実現するために、BBJは全国シャリア部会(DSN)(訳注2)と〔中央銀行である〕インドネシア銀行の関与を求めている。

 BBJはその第一歩として、12月20日(月)ジャカルタにおいてDSNとの提携合意書に署名した。この合意書はマリ・エルカ・パンゲストゥ商業大臣の立会いの下、BBJのマデ・スカルウォ理事長、DSNのナドゥラトゥザマン・ホセン氏、および商品先物取引監視委員会(Bappebti)のデディ・サレー議長の間で署名された。

 「この提携は、マレーシア商品取引所がパーム油(訳注3)を商品ムラバハ(訳注4)で扱っているようにシャリアに基づく金融商品『商品ムラバハ』を開発したい、という銀行の希望に基づいている」とマデ・スカルウォ理事長は述べた。

 金融用語においては、ムラバハとは商品の供給者としての銀行とその商品の購買者である顧客との間の売買契約のことである。「商品ムラバハ」の取引では、売り手〔である銀行〕は、売買される商品とその購買価格、および〔銀行が〕受け取る利益を明らかにする。銀行は両者間で合意された利益を取る。

 また、同理事長は、BBJは2000年から事業を行なっており、その間業務の改善に継続的に取り組んできたと説明した。現在BBJは、あらゆる場所からアクセスできるオンライン取引のシステムをすでに完備している。「取引を容易にするためにジャカルタ先物電子取引システム(JaFETS)を導入している」と同理事長は語った。

 BBJはまた、取引する者が取引時間内に売り買いの注文をスムーズに行なえるように、自動価格注入(API)の装置を用意している。この装置が導入されると〔複数の売り手と買い手がそれぞれに〕売値と買値を指定して注文を出すことになるので、顧客はいつでも容易に売買が行なえるようになる。顧客の便宜に配慮したこの取引システムは、BBJでの商品先物取引の流動性の向上に資することになるだろう。

 これまでBBJの投資家の性格は注文を受ける側としてであって、事前に注文を出すことはなかった。その結果、売り注文や買い注文がBBJ取引端末のモニターにないと、取引者は取引を行なわず、BBJにおける取引量は多くなかった。


訳注
1) シャリア・ビジネス: イスラーム法に則ったビジネス
2) 全国シャリア部会: インドネシア・ウラマ評議会の部会の一つ。経済金融関係を扱う
3) パーム油: アブラヤシの種子から抽出した油
4) 商品ムラバハ: 商品の売買を介在させた金融手法。例えばある企業が設備投資の資金を必要としている場合、銀行がその設備を買い取り、それに銀行の手数料を上乗せして企業に分割払いで売却する。結果的に企業は銀行から融資を受けることになり、銀行はその利子を手数料の形で受け取ることになる。利子の授受を禁じているイスラーム法への対処である。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ec1012211hy)

原題:Bursa Berjangka Jakarta Kembangkan Produk Syariah
http://koran.republika.co.id/koran/17/125549/Bursa_Berjangka_Jakarta_Kembangkan_ Produk_Syariah


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