インドネシア語新聞翻訳
2010年8月6日(金)
【メディア・インドネシア紙】


再デノミ論を賞賛する

 斬新で、大いなる躍進というニュアンスを持つアイディアは、しばしば躊躇、疑念、それどころか拒否をも生み出す。しかし、大いなる躍進や「最高の」アイディアに向き合おうとしない民族は、きっと矮小な民族になるはずだ。

 インドネシア銀行のダルミン・ナスティオン臨時総裁がルピアの再デノミ論を展開した時に、そのような状況は起こった。ルピアの最高額紙幣が10万ルピアとなり、〔最高額紙幣が〕50万ドンであるヴェトナムに次いで世界第2位となったからだ。

 きわめて高額であるその紙幣〔の存在〕で、ルピアは実用的でなく、権威がなく、同時に国際的な通貨の中で弱い印象となった。そのインドネシア銀行のアイディアに同意が得られれば、2022年までの完了を目標に、2013年から再デノミが展開される準備はできている。

 通貨呼称単位の簡潔化のアイディアに驚き、理解せず、そして寄ってたかって拒否する者も多い。それどころか、彼らの中にはきわめていい加減に、再デノミを通貨切り下げと同一だと言う者もいる。

 しかし両者は非常に異なる。通貨切り下げは通貨の名目上の価値を下落させることを意味するが、一方、再デノミはその通貨価値を全く変更しない。

 そういった様々な誤解が影響し続け、社会の人々の間に不安が生まれた。不運なことに、政府もルピアの再デノミは急を要する課題ではないと語り、安全策を取ろうとしている。

 本来なら政府が行うべき事は、さらに深い検討を行い、そのアイディアを熱意をもって受け入れることだ。トルコ、ルーマニア、ロシア、ガーナによってすでに行われ、かつイラクや韓国によって続いて行われるはずの再デノミではないのか?

 2005年以来、通貨の再デノミを行ってきたトルコやルーマニアは、現在恩恵を受けている。彼らの通貨はさらに効率がよくなり、実用的で、安定している。その二国のインフレも、0の数字を三桁切り捨てる通貨の簡潔化以来、落ち着いている。

 再デノミは確かに突然行うことはできない。〔再デノミの〕普及、旧通貨の使用中止、新通貨の流通には数年の時を要する。

 しかし長い時間が必要だからこそ、今このアイディアを出すことがちょうど相応しい時期なのだ。[再デノミ論の]検討、普及、そして準備に時間がたっぷりある。

 またマクロ経済の状況は比較的安定している。〔経済〕成長〔率〕は我々がかつて保持したような7%には達していないけれども、すでにその方向に向かって動いている。年間インフレ〔率〕も十分満足がいくものではないが、ここ3年間一桁台にある。

 そのアイディアは経済実績が良くなるほど、実現可能となる。それだけよい実績を持つように政府に働きかけるべきだ。したがって、我々はその再デノミ論を賞賛するべきだ。今始めないなら、我々はいつ重大な躍進を遂げようとするのだろう?

 この国は、本当は危険な快適ゾーンで何年間も眠りについていた。再デノミ論は偽りの快適さに関わり、真の快適さを手に入れるために最善を尽くす。

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ec1008063kk)

原題:Mengapresiasi Ide Redenominasi
http://www.mediaindonesia.com/read/2010/08/08/160302/70/13/Mengapresiasi-Ide-Redenominasi-


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