インドネシア語新聞翻訳
2009年6月5日(金)
【レプブリカ紙】


BRIシャリア銀行、補助金付き住宅ローンに承諾

【ジャカルタ】
  国民住宅担当国務省とBRIシャリア銀行(訳注1)は、補助金付きシャリア健康簡易住宅ローン(KPRSH Syariah)の販売に合意した。これは、中・低所得者層に住宅費の一部の支払いを補助する商品だ。

 BRIシャリア銀行は、今年このローンで1,500億ルピア(約14億5千万円)のシャリア住宅ローンの販売を目標としている。BRIシャリア銀行のヴェンチェ・ラハルジョ代表取締役は次のように述べた。シャリア住宅ローンのマーケティングにおいて、我々は既存の支店を最大限に活用し、シャリア住宅ローンの販売の普及のために住宅ローン・センターも設立するつもりだ。

 「今年はまずBRI銀行の50-100支店で試し、上手くいくようならインドネシア全域で販売を行う予定だ」水曜日(6月3日)に国民住宅担当国務省のホールで行われた、BRIシャリア銀行と国民住宅担当国務省間の覚書の調印式の後で、同代表取締役はそう述べた。

 同代表取締役によれば、現在BRIシャリア銀行には55の支店があるが、BRIシャリア銀行はオフィス・チャンネリング(訳注2)を通じても販売を行う予定だという。既存の支店(通常の銀行も含む)は、BRIシャリア銀行のネットワーク拡大にとって起点になるという。今年初めに正式に業務を開始したBRIシャリア銀行が、補助金をうまく活用できることを同代表取締役は十分に期待している。

 ローンの販売がうまく行われるように、BRIシャリア銀行は4都市(ジャカルタ、バンドゥン、セマラン、そしてスラバヤ)に住宅ローン・センターも設立する。「その4つの住宅ローン・センターは、シャリア住宅ローンの販売を促す起点となりうる」

 同代表取締役は付け加えた。その4都市を選んだ理由は、その地域ではシャリア住宅ローン補助金が最も多く活用されるとみたからだ。シャリア住宅ローンでは、2つの契約形態つまりムラーバハ(訳注3)とムシャーラカ・ムタナキサ(訳注4)が用いられる。

 ユスフ・アシャリ国民住宅担当国務大臣は次のように述べた。シャリア銀行との提携で、社会の人々も住宅ローンを選ぶ上で選択肢が増える。「政府は相乗効果のある各界からの協力・支援を期待している。特にBRIシャリア銀行には、補助金を得る権利のある顧客候補リストを作成する上での協力を期待している」

 そのことは、目的にふさわしくない人々が補助金を得るなどの、危険を防ぐことも目的にしている。国民住宅担当国務省との住宅ローンの提携は、BRIシャリア銀行で14行目となる。

 国民住宅担当国務省はそれ以前に、13のシャリア普通銀行とシャリア事業体(略称UUS、訳注5)とすでに提携を行った。つまりシャリア・マンディリ銀行、メガ・シャリア銀行、そして以下の銀行のシャリア事業体(DKI銀行、BNI銀行、BTN銀行、西ジャワ州銀行、DIY銀行、東ジャワ州銀行、北スマトラ州銀行、リアウ州銀行、南スマトラ州銀行、東カリマンタン州銀行そして南スラウェシ州銀行)だ。「中・低所得者層に焦点を当てたBRIシャリア銀行が加わることで、まだ住宅補助金制度を利用できなかった人々が、この制度を利用できるようになることが期待される」と同代表取締役は述べた。

 シャリア普通銀行とシャリア事業体の他に、国民住宅担当国務省は31のシャリア国民信用銀行(略称BPRS、訳注6)とも提携を行っている。特に2008年には、補助金付きシャリア住宅ローン4,176件、補助金付き超低所得者層向け住宅ローン(普通/シャリア)45,454件が実施された。今年政府は家屋10万7千戸と高層住宅4万棟に対して、2兆5千億ルピア(約240億円)の住宅補助金を割り当てる。「来年は3兆ルピア(約290億円)の補助金が割り当てられることを期待する」とユスフ大臣は述べた。

     住宅補助金の利用増加にともない、2007年以来、割当金額も増加している。2005年と2006年の割当金額は2,520億ルピア(約24億円)だが、2007年には3,000億ルピア(約29億円)、2008年には8,000億ルピア(約77億円)となった。補助金付き住宅ローンとは、中・低所得者層に対して住宅費の一部の支払いを補助する政府の国家プログラムだ。
【gie記者】

引き続き増加
 補助金付き住宅ローンとは、中・低所得者層に対して住宅費の一部の支払いを補助する政府の国家プログラムだ。住宅補助金の利用増加にともない、2007年以来、割当金額も引き続き増加している。

 住宅補助金(10億ルピア単位)

 2006: 252
 2007: 300
 2008: 800

資料:国民住宅担当国務省


訳注
1) BRIシャリア銀行: BRI銀行はインドネシア・国民銀行の略称。シャリアはイスラーム法。
2) オフィス・チャンネリング: 顧客が通常の銀行でイスラーム銀行口座を開くことができるサービス
3) ムラーバハ: ある財物をその購入原価(および必要経費)よりも多い額の代金で転売するような形態の売買
4) ムシャーラカ・ムタナキサ: ムシャーラカ契約(共同出資契約)期間中に企業家が定期的に出資者の出資金を補う方式
5) シャリア事業体: 在来型銀行の傘下にあるシャリア事業体
6) シャリア国民信用銀行: 中小企業、庶民を対象とする銀行

(翻訳者:川名桂子)

(記事ID:ec0906051kk)

原題:BRI Syariah Salurkan KPR Bersubsidi
http://republika.co.id/koran/17/54537/BRI_Syariah_Salurkan_KPR_Bersubsidi



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