インドネシア語新聞翻訳
2009年4月13日(月)
【メディア・インドネシア紙】


シャリア銀行業は世界金融危機に強い

 インドネシアは経済活動を世界に開放している国として、世界金融市場のダイナミズムの影響から逃れることはできない。米国に端を発し、その後他の国々を襲い、2008年の後半以降には世界経済危機に発展した金融危機の影響も、その例に漏れない。

 国際通貨基金(IMF)では、世界の経済成長は2008年の3.9%から2009年には2.2%に鈍化すると推測している。この鈍化は当然のことながらわが国の輸出実績に影響を及ぼし、最終的には国の経済成長の速度にも影響を与えることになる。それでは、この世界的な金融システムの動揺はインドネシアのシャリア銀行(訳注1)業界にどのような影響を与えるのだろうか?

 シャリア銀行の融資は国内の経済活動に重点が置かれている。そのため、世界金融システムとの統合度がまだ高くなく、非常に複雑で高度な取引にはまだ手を染めていない。この2点こそが、シャリア銀行は世界金融システムの動揺から直接の影響を受けずに済んでいると評価されているゆえんだ。

 2009年最初の2ヶ月で、シャリア銀行のサービス網に45の店舗が追加された。今日現在すでに5つのシャリア普通銀行(BUS)、26のシャリア事業体(UUS)(訳注2)、132のシャリア国民信用銀行(BPRS)(訳注3)がある。そして在来型銀行でシャリア・サービスを提供している支店が1,492ある。地理的にみて、シャリア銀行店舗網は現在33州の89以上の県/都市に広がりを見せている。

 シャリア銀行の融資成長実績は2009年2月現在まで依然として高く、不良債権率が5%以下と融資成績も良い。シャリア銀行の融資は、2008年2月の成長率33.3%が2009年2月には47.3%になり一貫して高率だ。一方、シャリア銀行が2009年2月に実施した融資額は40.2兆ルピア(約3800億円)に達している。

 まさに、シャリア銀行業はインドネシアの金融システムの安定を支える柱の一つとしてその強靭さを示している。


訳注
1) シャリア銀行: イスラーム法に基づく銀行業。利子の禁止、不確実性の禁止、賭博・投機の禁止、イスラーム法で禁じられた物品やサービスに関する取引の禁止などを特徴とする。
2) UUS: 在来型銀行の傘下にあるシャリア事業体
3) BPRS: 中小企業、庶民を対象とする銀行


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ec0904133hy)

原題:Perbankan Syariah Lebih Tahan Krisis Global
http://anax1a.pressmart.net/mediaindonesia/MI/MI/2009/04/13/ArticleHtmls/13_04_2009_013_006.shtml?Mode=1



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