インドネシア語新聞翻訳
2009年1月14日(水)
【レプブリカ紙】


シャリア保険の人材の質向上

 シャリア保険業(訳注1)の成長を進めるためには、従来の保険業にシャリア部門を加えるだけでは十分でない。シャリア保険諸商品を宣伝する上で、(保険に携わる)人材の質の向上も必要となる。イスラーム保険協会(以下IIS)のムハンマド・シャキル・スラ総裁は次のように述べた。シャリア保険の人材の質の向上には、代理店レベルで保証書授与が必要だ。シャリア保険商品の販売は、従来型の保険とは異なる。イスラーム的価値観と関係が深いシャリア保険は、販売に関してもいくつかの指標を持つ。

 「シャリア保険の販売は、賄賂や他の不道徳な行為との関連があってはならない」と火曜日(1月13日)に同氏は本紙に対して述べた。

 IISとインドネシア・シャリア保険協会(以下AASI)は、現在その保証書授与システムについての計画を進めている。その保証書授与システムを策定するためにIISとAASIは、シャリア商品についてのワークショップを行う予定だ。現在、その保証書授与システムの計画は進行中で、今年の半ばには実施できる見通しだ。「保証授与システムに関するワークショップの資料を準備するのに、およそ3-4ヶ月を要する」と同氏は述べた。

 ワークショップでは、イスラーム原理に則ったシャリアと商品販売倫理についての教本が、参加者に渡されることになっている。同氏によれば、そのことは代理店が商品を市場に出す際に、(象徴的な意味で)「イスラーム服を着用すること」ではなく、少なくとも(イスラーム的な)礼節をわきまえることを意味する。

 代理店に対して、現在シャリア研修を行っている保険(会社)はいくつかあるが、シャリア倫理に則った総合的な保証書授与システムは、今後さらに必要となる。保証書授与システムの導入は、商品を市場に出す上で、シャリア保険部門がさらに拡大することを目的としている。

 その保証書授与システムによって、シャリア保険の成長が促されることを、同氏は確信している。シャリア保険の保険料の成長率はおよそ30-40%だ。しかし同氏によると、その保証があれば、保険料の成長率は50%を上回るという。シャリア原理に対する理解が深まり、それに則った販売が増加すれば、シャリア保険商品販売の推進にもつながることになる。

 保険市場の可能性は十分に高く、いくつかの保険会社でシャリア部門が設けられた。現在シャリア部門を設けている保険会社は、少なくとも30以上ある。そのため従来型の保険代理店でもシャリア保険商品が販売されており、保険代理店にはおよそ数十万人の顧客がいることになる。だからこそ、シャリア保険についての保証システムや研修は、市場がイスラーム的価値を守るために今後さらに必要となる。

 ハラハップ・ビジネス・コンサルティングのハドリィ・ハラハップ代表取締役も同様なことを述べている。シャリア保険の成長を促すためには、管理レベルだけでなく、マーケティング・レベルでの保証も必要だ。「彼らが十分な能力や適性を持ち、シャリア商品を販売するためには、マーケティング・レベルでの保証も必要だ」と同氏は述べた。

 同氏は次のように付け加えた。シャリア産業の発展に対する要求はさらに高まっているが、現人材の能力や適性は十分ではない。インドネシアにおける十分に広い保険市場を考慮に入れると、シャリア保険業を盛んにするための雇用と教育が必要だ。2007年にシャリア保険は、1兆2千億ルピア(約93億円)の保険料(保険収入)、総資産1兆9千億ルピア(約150億円)を達成した。


訳注1) シャリア保険: イスラーム法に基づく保険業。シャリアはイスラーム法を意味する。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ec0901141kk)

原題:‘Sertifikasi SDM Asuransi Syariah’
http://67.19.80.66/republika/RP/RP/2009/01/14/ArticleHtmls/14_01_2009_020_004.shtml?Mode=1



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