インドネシア語新聞翻訳
2008年12月14日(日)


インドネシア・イスラーム教徒知識人協会:国民に配慮した経済システムを強化せよ

【パレンバン】
 世界的な経済危機を乗り切るために、インドネシア・イスラーム教徒知識人協会(以下ICMI)(訳注1)は、政府に対して国民に配慮した経済システムを強化するように提言した。「国民に配慮した経済システムは、憲法の中に記載されているが、まだ本当の意味では適用されていない」と土曜日(12月13日)夕方、親睦会を兼ねた全国的な運営会議の閉会後、ICMI幹部会のムスリミン・ナスティオン議長は述べた。

 同氏によれば、資本主義や自由主義に基づく経済システムでは、米国だけでなくインドネシアなどの他の諸国も同様に悪影響を受けることになる。そのため政府は、国民に配慮した経済システムを再建するべきだ。

 「世界的な金融危機の影響への対処法は、国民に配慮した経済システムの強化だとICMIは結論付けた。インドネシアの天然資源は国によって管理され、個人の繁栄のためではなく、国民の繁栄のために活用されるべきだ」と同氏は述べた。同氏はハッタ ・ラジャサ氏に代わって、2008-2009年のICMI幹部会議長として選出された。

 一方、政治部門での提案としては、ICMIは党派に属さない組織として、2009年の総選挙が成功するように努める。世界的な金融危機の影響からインドネシアを救出する指導者を選ぶため、2009年の総選挙はインドネシア国民にとって重要だ。「ICMIの中には様々な政党支持者がいるが、2009年の総選挙が失敗しないように見守るという共通の目標を持つ」と同氏は述べた。

 ICMIの専門家審議会と、インドネシア共和国地域代表審議会の議長を兼任するギナンジャール・カルタサスミタ氏は、次のように述べた。総選挙の状況が安定しなければ、2009年の世界的危機は、インドネシアに対してさらに悪影響を与えることが予測される。「2009年の総選挙で(政局が)安定し、よい結果がもたらされる保証はない。もし、総選挙時に世界的な危機と同時に経済危機が起これば、インドネシアにとってさらに悪影響が出ることが懸念される」と同氏は述べた。

【oed記者】


訳注1) インドネシア・イスラーム教徒知識人協会: 1990年に設立されたイスラーム組織。スハルト元大統領の側近ハビビ研究技術担当大臣(当時)が会長を務め、政治・経済の分野で活躍するイスラーム教徒知識人を集めて結成された。設立はスハルト体制のイスラームへの近接という政策転換を象徴する画期的な出来事だった。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ec0812141kk)

原題:ICMI: Perkuat Ekonomi Kerakyatan
http://www.republika.co.id/koran/14/20097.html



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