インドネシア語新聞翻訳
2008年11月27日(木)


シャリア銀行は農業分野を開拓すべき

【ジャカルタ】
 シャリア銀行業(訳注1)の農業分野への融資は、まだ極めて少ない。総農地面積は770万ヘクタールもあり、農業分野はシャリア銀行業が2009年に(融資先として)開拓できる可能性のある市場だ。

 イスラーム経済専門家協会(略称IAEI)のアグスティアント事務総長は、このビジネスにおけるシャリア銀行の総融資額は、(シャリア銀行業の)全融資額37兆ルピア(2008年9月現在)の3%に過ぎないと述べた。しかし農業分野の固定資産税(土地建物税)は約15%に達している。「そのことは、いかに農業分野が重要かを示している。しかし、残念ながら融資額はまだ少ない」と水曜日(11月26日)に同氏は述べた。

 融資の障害になっていることとして、シャリア銀行業システムに関する情報が、農業経営者たちによく伝わっていないことが挙げられる。農業分野の開発に、ほとんどの農業経営者は自己資金を使っている。シャリア銀行業についてよく知っているインドネシアの農業経営者は、10%にすぎない。シャリア銀行業の構造や仕組みについての情報は提供されているが、さらに理解を得られるように、広報・教育活動がより強化されるべきだとし、同氏は続けて述べた。

 農業分野は多大なコストを必要とする以外に、農作物が季節的な要因による影響も受けるので、非常に多くの課題があると述べた。そのため同氏は農業経営者に対して、農作物が最大限に収穫され、不作は最小に抑えられるように、支援を行うことを提案した。シャリア一般銀行が創立されたことで、2009年にはインドネシアの農業分野も融資対象として期待されている。

農業分野以外に国内市場の中小企業分野も、シャリア銀行業の関心が向け続けられるべきだと、アグス氏は述べた。同氏によれば、中小企業は厳しい状態の中でも何とか持ちこたえており、融資資金が向けられる分野となる可能性があるという。

 西ジャワ州銀行のシャリア事業部は、地域をガルット(トマトとにんにく)、マジャレンカ(水田とトウモロコシ・イモ類などの間作物)、インドゥラマユ(水田)、そしてスカブミ(バニラ)に特化した融資を実施し、100億ルピア(約8千万円)の農業分野への融資を行った。これら4地域のうち、ガルットとスカブミの2地域では、融資上の問題が残っている。

 西ジャワ州銀行のシャリア部長、ルクマナ氏によれば、そのことは収穫後商品の値上がりを待っている農業経営者が多くいるためだという。「彼らは投機的な姿勢をとり、価格がまた上がるのを待っていたが、これまで価格は変わらず、結果的に彼らは損を出してしまっていた」と同氏は述べた。西ジャワ州銀行当局は収穫物を最大にするために、農業経営者に対してこれまで通り支援を行う。
【C67記者】


訳注1) シャリア銀行業: イスラーム法に基づく銀行業


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ec0811272kk)

原題:Bank Syariah Mesti Garap Sektor Pertanian
http://www.republika.co.id/koran/17/16853.html



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