インドネシア語新聞翻訳
2008年11月14日(金)


シャリア銀行は中小企業市場を獲得すべき

【ジャカルタ】
 世界を襲っている金融危機の激動の中で、中小企業分野は今もしっかりとしている。そのため、在来型銀行が参入していることもあり、シャリア銀行(訳注1)はこれまで以上にこの分野に焦点を絞り、集中的な取り組みをすべきだ。

 シャリア経済専門家のアグスティアント氏によると、中小企業には潜在力があり、危機の嵐に耐えているにもかかわらず、これまでのところ中小企業に対する処遇に大きな変化は見られていない。現在、シャリア銀行の融資の大部分は中小企業に向けられているが、この際シャリア銀行は、中小企業市場を獲得すべきだ。

 「今日では、在来型外国銀行もすでに中小企業分野への参入を始めている。そのため、シャリア一般銀行も在来型銀行のシャリア部門もBMT(訳注2)とBPRS(訳注3)と提携を結ぶべきだ」とアグス氏は11月13日(木)ジャカルタで語った。4000万口に達する中小企業市場に対し、シャリア銀行のマーケットシェアは今年2.3%になったばかりで、まだこの市場の全てをカバーしていないことを示している。もっともシャリア銀行の融資の大部分は、実業部門に流れているとアグス氏は述べている。

 インドネシアのシャリア経済の発展を後押しするためには、政府とともに有識者層、大学、企業家、そして社会の役割が必要である。アグス氏は、政府がシャリア経済の発展に大きな関心持っていることを協同組合・中小企業省、および国有企業を始めとするさまざまな分野に対し示すよう呼びかけている。アグス氏はまた社会の経済を活性化するために、BPRSもBMTも非常に必要だという意見を持つ。「地方政府が郡ごとにBPRSを作ることができたら、社会の変化が感じられるようになるだろう」

 また、彼は地方政府所有である地域開発銀行が、社会への役割を一層増すことを期待している。これまで政府はBMTのようなシャリア・ミクロ金融組合に関する法律を制定していない。しかし、この法律はBMTが明確な法人格を持ち、人々から預かっている現金に対して監督と保証が行われるために必要である。アグス氏は、その経営がプロフェッショナルに、かつ真摯に行われるようBMTに対する規定があるべきだと説明した。もっとも、現在シャリア・ミクロ金融機関に関する規定がまだなくても、インドネシアのBMTは十分立派に発展していることをアグス氏は認めている。


訳注
1) シャリア銀行: イスラーム法に基づく銀行。イスラーム法に則って業務を行う銀行で、利子の徴収は認められていないなどの特徴を持つ。
2)  BMT: バイトゥル・マール・ワッ・タムウィルの略。相互扶助的な民間金融組合で日本の講のようなもの
3)  BPRS: シャリア・庶民融資銀行の略。庶民、中小企業を相手とするイスラーム系の小口融資機関


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ec0811141hy)

原題:Bank Syariah Harus rebut Pasar UKM
http://www.republika.co.id/koran/17/13902.html



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