インドネシア語新聞翻訳
2008年9月26日(金)


喜捨にはシャリア銀行が関与するのが望ましい

【ジャカルタ】
 これまで行われてきた喜捨(ザカート)(訳注1)の運用プロセスはシャリア銀行業界(訳注2)から強い批判を浴びている。シャリア銀行業界では信徒の援助を目的とするザカート・フィトラ(断食明け前の喜捨)とザカート・プロフェシ(職業上の所得からの喜捨)の管理に対し、シャリア銀行にまだその役割が与えられていないと指摘している。

 この批判は、イスラーム経済の評論家でありジャカルタのアズ・シャフィヤー大学の経済学部長であるA. カルナエン・プルワタアトマジャ氏が投げかけたものだ。カルナエン氏は、この喜捨の資金が(イスラーム法で禁じている)利子がからむ金融システムに触れることがなければどんなに素晴らしいことかと強調している。

 「全国喜捨募集団体のデータによると、インドネシアのザカート・プロフェシの額は年に32兆ルピア(約3,660億円)に達している」とカルナエン氏は資料を引用して語った。一方、ザカート・フィトラの額は年間17兆ルピア(約1,940億円)に達する。カルナエン氏は、ザカートはイスラーム法の価値観に基づく信徒からの徴収なので、ザカート資金の性格を完璧にするためにはこの資金がシャリア銀行を通じて配られるのが望ましいと考えている。

 「これまで大部分の資金が従来型の銀行のルートで流れており、そのためザカート資金が利子のシステムに触れていることもありうる」と彼は語っている。

 そのため、カルナエン氏は、ザカート資金の運営において、シャリア銀行に役割を与えるときが既に来ていると主張している。人々から徴収したザカート資金はシャリア銀行のネットワークを通じて流すほうがよりふさわしいだけでなく、それによってこの資金がシャリア銀行の財務上の大きな助けとなり、最終的にはそれが彼らの業績の改善に繋がるとも語っている。

 「もし必要であれば、ザカート運用に関する1999年法律第38号の改定の中に、このザカート資金の運用システムにシャリア銀行を関与させることを明記するべきだ」とカルナエン氏は語った。彼はザカート法改正にシャリア銀行の役割を明記して強調することは可能だと確信している。そうすればシャリア銀行の関与が法の下に明確に規定されるので、より良いことだ。「そのためには政府の意思があるべきだ。これは宗教省の領域だ」と彼は語った。

訳注1) ザカート: イスラーム教徒に財産に応じて課せられる税の一種。宗教的義務のひとつで徴収機関があり、徴収された金額は困窮者の救済に使われる。
訳注2) シャリア銀行: イスラーム法に則って業務を行う銀行。例えば利子の徴収は認められていない。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ec0809261hy)

原題:Zakat Sebaiknya Libatkan Perbankan Syariah
http://www.republika.co.id/launcher/view/mid/22/kat/17/news_id/5118



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