インドネシア語新聞翻訳
2008年7月17日(木)


地方におけるシャリア部門発展の可能性は大

イスラーム教徒の人口は全国的に平均して多い

【ジャカルタ】
 地方開発銀行協会(Asbanda)は、インドネシアの多くの州にシャリア銀行業(注1)発展の非常に大きな可能性があると考えている。その理由のひとつは、インドネシア人の大多数がイスラーム教徒であることだ。

 Asbandaのこの発言は、それ以前にインドネシア銀行(BI)(注2)が、全地方開発銀行に対しシャリア銀行業を発展させるよう呼びかけたことを支持するものだ。「このBIの呼びかけを大いに歓迎する、というのはインドネシアは全土において国民の大多数がイスラーム教徒で、どの州でもシャリア部門発展の可能性が、非常に高いからだ」Asbandaのウィニー・E・ハサン理事長は、7月14日(月)このように本紙に語った。

 彼はまた、インドネシアはイスラーム教徒の人口が多いので、シャリア銀行ビジネスが発展するのに最適で、その可能性を掘り起こす必要があると語った。

 ウィニー理事長によると、シャリア銀行業のサービスはイスラーム教徒だけでなく、インドネシアで他の宗教を信仰する人たち、様々な階層に属す人たちなど多くの人が利用できるものだ。

 そのため、シンガポールのようにイスラーム教徒が少数派である国でも、シャリア銀行業がサービスを展開できている。「シャリア銀行は、イスラーム教徒のためだけではないことを強調する必要がある。その証拠にシンガポールはシャリア経済のセンターになろうとしている」と彼は語った。

 西ジャワ地方開発銀行シャリア部門長のルクマナ氏は、シャリア銀行ビジネスの発展はまず地方に焦点を合わせるべきとの見解だ。これは国の経済を動かすためには村落の経済発展が優先順位のひとつとして進められるべきだからだ。「シャリア銀行業を発展させるためには、地方に一層の力を入れるべきだ。地方には、多くの村落がある。したがって、シャリア銀行ビジネスは県から州へと発展させていくべきだろう」と彼は別の席で語った。

 ルクマナ氏は、また次のように述べた。地方のレベルでは生産事業が人々の生活のよりどころとなっており、シャリア銀行業はその生産事業の発展を支援する上でこれまで大きな貢献をしてきた。これは地方でのシャリア金融の大部分が、生産事業者向けだったからだ。

 DKI銀行(注3)のマーケット担当役員ムハンマド・イルファンディ氏は、ここ数年の間に地方開発銀行に対する人々の信頼度が上がってきていると述べた。これは多くの地方開発銀行が彼らの商品とサービスの質の向上に努めてきたからだ。その中には全ての地方開発銀行間のオンライン網の構築のように、Asbandaが進めてきたものもある。

 「そのため、組織面からみて全地方開発銀行は、現在考慮すべき重要な存在になっている」と語った。

 イルファンディ氏によると、シャリア銀行が扱う金利のない金融サービスは、インドネシアの多くの地域で展開されることが重要だ。特にインドネシア銀行が先日金利(BIレート)(注4)を8.5%に引き上げたことは、在来型の銀行の貸し出し金利の上昇につながっている。それに対し、シャリア金融のマージンはムラバーハ契約(売買)(注5)を利用しているので変わらず、この条件は人々が現金を借りるうえで有利だ。

【aru記者】


注1) シャリア銀行業:イスラーム法に基づく銀行業。利子の禁止、不確実性の禁止、賭博・投機の禁止、イスラーム法で禁じられた物品やサービスに関する取引の禁止を特徴とする。
注2) インドネシア銀行:インドネシアの中央銀行
注3) DKI銀行: もともとジャカルタ首都特別州(DKI)政府所有の地方銀行であったが1999年に株式会社に転換した
注4) BIレート: 日本の公定歩合に相当する
注5) ムラバーハ契約: 物品の売買に銀行が介在する金融手法。この際銀行が取るマージン(利ざや)が実質上の金利となる。

(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ec0807171hy)

原題:Besar, Potensi Unit Syariah di Daerah




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