インドネシア語新聞翻訳
2008年7月4日(金)


インドネシア銀行、スクークについて早急な規定作成を要請される

【ジャカルタ】
 国の金融機関(インドネシア銀行)は、イスラーム法に基づくスクーク(注1)に関する金融規定を早急に作成するよう要請を受けた。イスラーム国家でない国でも、すでにイスラーム法に基づくという前提で売買がなされているからだ。

ザイド・イブラヒム&カンパニーのニック・ノルズ・タニ専務理事は、水曜日にジャカルタで、「資金調達の新しい機会:銀行取引、不動産投資信託、スクーク」の対談に参加した後、次のように述べた。タイ、シンガポール、マレーシアなどのASEAN諸国では、すでにスクークの販売を通じて、不動産や不動産投資の開発に資金を活用している。

 同社は、マレーシアに本拠地を持つビジネス法のコンサルティング会社で、シンガポール、タイ、インドネシアに系列会社がある。

 同氏によれば、インドネシア金融機関(インドネシア銀行)は、他のイスラーム国に遅れた感はあるが、イスラーム国家でない国に対しても、イスラーム法に基づく様々な商品販売を推進してきたという。「恐らく政府は『ゆっくりでも、確実で安全なのが大切』というスローガンに沿って運営を行っている」とタニ氏はムラユ語(注2)訛りで述べた。

 同氏によれば、全てが迅速なグローバル経済時代に、政府は市場の発展に対して、より迅速に対応するのが望ましいという。「中東地域の投資家たちは、イスラーム法に基づく金融メカニズムを導入するならインドネシアに投資することを望むだろう。例えば、ハラル(注3)な食品はあらゆる人々が口にするが、ハラム(注4)と見なされる食品は一部の人々しか口にしない。インドネシア政府は、なぜ全ての投資家が買えるスクークの規定をすぐに出さないのだろうか?」と同氏は不思議そうに語った。

 クウェート・ファイナンス・ハウス(注5)のグローバル・リサーチ経済部長、ベルジート・カウル・グレワル氏も同じようなことを述べている。多くの助成金が必要とされ、国際市場での石油価格も上昇し続けているが、今後数年間、インドネシア経済は6%以上の成長を続けるだろう。

同氏によれば、このように経済の見通しが良好ならば、金融機関が市場の発展に対して迅速に対応することにより、さらに成長の可能性が高まるという。「グローバル経済の発展に見合った法規定を作るべきだ」

 同氏は、クウェート・ファイナンス・ハウスは、有益で安全だと見込まれれば、インドネシアにさらに投資する予定だと述べた。クウェート・ファイナンスは銀行業、金融サービスそして農産業部門にいたるまで、様々な部門の可能性を探っている。

【ant/fir記者】


注1) スクーク: イスラーム債券。イスラーム法に対応し運用先などに規制がある。
注2) ムラユ語: マレー半島から東南アジア島嶼部にかけて話されている言葉で、マレー語とも呼ばれる。インドネシア語もムラユ語がもとになっているが、記事中のムラユ語はマレー島嶼部で話されているムラユ語を指す。
注3) ハラル: イスラーム法によって許容されている行為、摂取物
注4) ハラム: イスラーム法によって禁止されている行為、摂取物
注5) クウェート・ファイナンス・ハウス: クウェートのイスラーム金融機関の一つ


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0807042kk)

原題:BI didesak Percepat Aturan Tentang Sukuk
http://www.republika.co.id/koran_detail.asp?id=340053&kat_id=256



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