インドネシア語新聞翻訳
2008年6月18日(水)


シャリア銀行法、国会で可決

【ジャカルタ】
 国会の本会議は、最終的にシャリア銀行法案の立法化を可決した。この法律は実業界の原動力になることを期待されている。

 闘争民主党会派(注1)のスポークスマン、ツキジョ氏は同会派の見解として、シャリア銀行業(注2)は従来型銀行システムの代替として実業界を動かすことが期待されており、そのためシャリア銀行業に関する特別な法定化が必要だと語った。

 「その法律はイスラーム教徒だけでなく、非イスラーム教徒も含めた人たちのさまざまな利害を引き受けなければならない。なぜなら銀行業は万人のためという性質を持つからだ」とツキジョ氏は6月17日(火)本会議で述べた。

 これまでシャリア銀行業は、インドネシア銀行法に準拠していただけだったが、この法律の承認によって、シャリア銀行業を運営する上での法的根拠が一層明確になる。

 ゴルカル党会派(注3)のスポークスマン、ハリー・アズハル・アズィズ氏は、同会派の見解の中で、シャリア銀行業が一貫して成長してきたことを見ると、このシャリア銀行法は、経済の発展に大きな役割を果たすと思われると言明した。「昨年末からシャリア銀行業は30%以上伸びている」

 しかし、シャリア銀行業の発展を促進するためには解決しなければならないいくつかの問題がある。そのひとつは融資取引の際の二重課税の問題(注4)だ。「二重課税の問題は直ちに取り上げるべきだ」福祉正義党(注5)会派出身の国会第11委員会(注6)のメンバー、アンディ・ラフマト氏は、国会がシャリア銀行法に対して支援するには、産業の発展を押し進めている実業界からの強い力添えが必要だと語った。

 国会の10会派のうち福祉平和党会派(注7)のみが、この法案の立法化に同意しなかった。「シャリア銀行業に関する事柄は、すでに1998年法律10号に規定されている。そのため、特別な法律を作る必要はない」と同会派のスポークスマン、ルトゥナ・シトゥモラン氏は話した。

 マフトゥー・バシュニ宗教大臣は、最後に政府を代表し、この法律の施行規則はインドネシア銀行あるいは政府からすぐに出されるだろうと言明した。

 シャリア銀行法案には、シャリア事業部門の資産額が本社の資産額の50%に達した場合、あるいは法律が施行されてから15年後には、この部門は切り離されて独立したシャリア銀行となることが義務づけられている。

 カリム・ビジネス・コンサルティング社のアジワルマン・A・カリム社長は、この法案の承認は良い影響を及ぼすとして「これは実業家および投資家が一層の自信を持ってシャリア銀行業を発展させる上で、法的な確実性を与えるものだ」と述べた。

【aru記者】


注1) 闘争民主党: 初代大統領スカルノの娘メガワティを党首とする民族主義的政党。現在の最大野党。
注2) シャリア銀行業: イスラーム法に基づく銀行業
注3) ゴルカル党: スハルト政権期の与党。現在ユドヨノ大統領を擁する民主党と連立で与党を組んでいる。
注4) 二重課税問題: 詳しくはec0709261hyの記事を参照
注5) 福祉正義党: 都市イスラーム層を基盤とする政党。清潔な政府をめざす。
注6) 第11委員会: 金融、開発、銀行業、銀行以外の金融組織に関する問題を担当
注7) 福祉平和党: 2001年に結成されたキリスト教徒たちの民族主義政党


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ec0806181hy)

原題:DPR Sahkan UU Perbankan Syariah
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=337944&kat_id=3



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