インドネシア語新聞翻訳
2008年2月1日(金)


シャリア小口融資を通じた屋台ビジネス支援

 生活必需品(注1)を売る小規模な店は、インドネシア各地、地方にも多数ある。店主の住居についていることが多い屋台には、様々な必需品が揃っている。しかし、生活必需品や食料品を扱うこのような屋台ビジネスの発展に注目し、支援する金融機関は少ない。実際には、このビジネスの可能性は注目すべきものなのだが。

 この屋台ビジネス発展の支援活動をする金融機関の一つが、BMT(注2)ヒドマトゥル・ウンマである。このボゴール県にあるシャリア小規模金融機関(注3)にとって、屋台や食料品ビジネスは、融資するのにふさわしい業種となっている。不良債権などの点から見ても、こうした業種のリスクは他と比べて低いためだ。

 BMTヒドマトゥル・ウンマの活動部長エマ・インドリ・アストゥティ氏は、次のように述べた。昨年末までに、このBMT融資の約65%が、生活必需品や食料品の屋台ビジネスに貸し出されている。融資額は、それぞれ50万ルピア(約5,800円)から1,500万ルピア(約17万4千円)程度。融資に対するマージン(実体は利息)は、月当たり2-3%となっている。

 「生活必需品や食料品の屋台を営む顧客は、非常に多い。融資額の約65%に当たる」と同氏は先日、本紙に対して語った。

 同氏によると、こうしたビジネスの融資先は、パサール・ルーウィリアン、チブンブラン郡、パミジャハン郡、チアンペア郡など、ボゴール県の数地域に渡っているという。「シャリア資金(注4)はとても歓迎されている」とし、さらに次のように述べた。

 当初、同BMTは、屋台ビジネスのシャリア小口融資にあたり、積極的なマーケティング戦略を用いた。人々から好感を持たれたらしく、また口コミの宣伝でこのサービスはさらに普及した。「サービスに満足した顧客はそのことを他人に話すため、結果として相手から融資を求めにやって来る」

 同氏によると、同BMTは、屋台ビジネスだけでなく、他のいくつかの小規模ビジネスにも、融資しているという。その中には、季節ごとのビジネス、犠牲祭(注5)時の山羊の販売などへの融資もある。一方、融資に対するマージン(実体は利息)は、双方の合意に基づいて決められる。昨年、同BMTは、廃品回収ビジネスに、5千万ルピア(約58万円)に相当する融資を行った。

 昨年末までに同BMTは、43億ルピア(約5千万円)のシャリア小口融資を行い、約600の顧客が融資を受けている。昨年末までの預貯金額は、15億ルピア(約1,740万円)となり、その資金は1,500の顧客によるものだ。昨年末までの同BMTの流動資産は約50億ルピア(約5,800万円)に達し、金融資本は8千万ルピア(約92万8千円)に上る。

 同氏は談話の中でこう語った。同BMTは1995年5月に創立された。当時は32人からの共同出資金3,500万ルピア(約40万6千円)で創立された。出資者たちは、社会福祉部門で活動するNGO(プラム)に刺激を受けた。

 同氏によると、このBMTは1998年8月7日、協同組合法人として認可された。認可は信頼を高める上で、非常に重要な意味を持った。現在、同BMTはボゴール県、チブンブラン郡、ドゥクー村 19、ガルガ通り1番地に所在している。

【aru記者】


注1) 生活必需品: 一般的に、米、砂糖、食用油とマーガリン、灯油、食塩、牛肉と鶏肉、鶏卵、ミルク、トウモロコシがこれに当たる。
注2) BMT: イスラーム系金融機関を意味する
注3) シャリア小規模金融機関: ノン・バンクの小規模な貸付を行うイスラーム法に則った金融機関
注4) シャリア資金: イスラーム法に則った資金
注5) 犠牲祭: メッカ巡礼の終わりを祝う祭りで、動物を犠牲にすることから犠牲祭と呼ばれる。犠牲にした動物の肉は貧者に分け与えられる。インドネシアでは山羊が使われることが多い。イスラーム暦の12月10日にあたる。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ec0802011kk)

原題:Membantu Usaha Warung Melalui Pembiayaan Mikro Syariah
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=321974&kat_id=256



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