2007年8月15日(水)

シャリア保険商品の共同開発を

共同商品は価格戦争を防ぎ健全な競争を促す

【ジャカルタ】
 インドネシア・シャリア保険協会(AASI)(注1)は、インドネシアでのシャリア保険のより迅速な普及を促すために、業界が共同でシャリア保険商品を開発するのを奨励している。

 この保険の規模は、現在に至るまで、インドネシアにおける他の保険業に比べてかなり小さい。これは、20億から30億ルピアという、かなり少額の資本金でシャリア支店(注2)を開設する一般の保険会社が多いことによる。「シャリア保険業界の発展を促進させるためには、シャリア保険商品を共同開発することが重要だと思う」とAASIの会長ムハイミン・イクバル氏は14日本紙に語った。

 イクバル氏によると、現在のシャリア保険商品の大部分は、従来の保険商品を模倣したもので、ただそれをイスラーム法の原則に合わせているに過ぎない。従って、シャリア保険も実際には一般の保険と同じ消費者市場に照準を合わせていることになる。

 しかし、その同じ消費者をめぐって争奪戦を演じている一般の生命保険会社と損害保険会社の数は非常に多い。「一般の保険業界には、損害保険会社が90社前後、生命保険会社が40社以上あり、彼らは同じパイを巡って激しい争奪戦を演じている」とイクバル氏は語る。

 そのためイクバル氏は、在来商品の模倣による開発戦術を取り続けるならば、シャリア保険業界の急速な発展は期待できず、一般の保険業界の後塵を拝するだけになると心配する。「これまでわれわれは、そのスタイルでシャリア保険商品を開発してきた。その結果、シャリア保険の発展はずっと一般の保険に遅れをとっていた。彼らとしのぎを削らねばならなかったからだ」

費用の効率化を進める
 この現状を打破するには革新的な商品を開発する必要がある。さらに、この商品開発は共同で行うことが望ましい。理由は、シャリア支店の大部分は20億から30億ルピア程度の少額の資本金しか持っていないからだ。「一会社、あるいはシャリア支店だけで開発するのは、非常に難しいと思う。なぜならイスラーム法に則った財源(資本)はまだ限られており、開発の他に商品を普及させる問題もあるからだ」とイクバル氏は語った。

 イクバル氏によると、商品の共同開発の利点は、技術、開発、マーケティングの費用を共同で分担できることだ。つまり費用の効率化につながっている。

 また彼は、商品の共同開発がシャリア保険ビジネスの健全な競争環境を作る助けにもなると主張している。共同開発商品によって、シャリア保険会社間、あるいはシャリア支店間で保険加入者を奪い合うための料率戦争が起きるのを防ぐことができるからだ。

 BNIライフのシャリア部門長アリオ・スサティオ・アジは、AASIがシャリア保険の共同商品開発を奨励していることを歓迎している。しかし、この商品開発はリスクが適切にマネジメントされるよう、慎重な調査に基づいて行われることが望ましいとしている。「われわれは共同での商品の開発を歓迎する」

 BNIライフのシャリア部門は、既にトゥリパカルタ損害保険会社のシャリア部門と共同で商品を開発しているが、他のシャリア保険会社から保険商品の共同開発の計画の話があるなら歓迎するとアリオ氏は述べている。「革新的な共同商品は歓迎する。しかし、私はイクバル氏がどんな共同商品を開発したいのかまだ知らない」

 去る7月17日のインドネシア・ウラマ協議会全国理事会のサイトのデータでは、現在活動しているシャリア保険会社およびシャリア支店数は合計40となっている。内訳はシャリア生命保険および損害保険が37で、残りはシャリア再保険である。そのほかシャリア保険のブローカーが5ある。


注1) シャリア保険: シャリアはイスラム法のことで、シャリア保険とはイスラーム法に則った保険のこと
注2) シャリア支店: 一般企業でイスラーム法に則ったサービスを提供する支店



(翻訳者:山本肇)
(記事ID:ec0708151hy)

原題:Kembangkan Produk Asuransi Syariah Bersama
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=303451&kat_id=256



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