2007年7月9日(月)

インドネシア、イスラーム投資家と中東の資金を十分活用せず

 【ジャカルタ】

 インドネシアは、国家開発プロジェクトの費用捻出に有用なイスラーム投資家(注1)と中東の資金源をまだ十分に活用していない。

 香港上海銀行シャリア(注2)法人幹部、マフムード・アブシャンマ副社長は、7月5日(木)にこのような見解を明らかにした。「もし政府が投資資金を80億ドルに引き上げたいなら、イスラーム投資家は40億ドルの資金を準備することができる」と同氏は発言し、さらに以下のように語った。

 現在インドネシア政府は、世界で拡大し続けているイスラーム資金(注3)に比べ、通常の資金の方に目を向けている。「インドネシア政府は、世界各地で急速に拡大するイスラーム法に基づく事業の資金供給力にも目を向けるべきだ」

 インドネシアでは、イスラーム法に基づく事業は、まだいくつかの問題のために停滞しているが、その一つが二重税である。これがイスラーム法に基づくビジネスをより費用のかかるものにし、結果として様々な商品の伸びを妨げている。「これはインドネシアだけで起こっていることだ。マレーシア、シンガポールやブルネイなどの国では、その制約(税)をすでに撤廃している」

 不明確な課税構造のため、海外の方が支払いが安くなる。「例をあげれば、香港上海銀行では、インドネシアで行なうべき支払いを海外で行っている。例えば輸入の場合、インドネシア国内に持ち込むための支払いを海外で行なう」

 現在、様々な国や企業家が、既にイスラーム債券を活用している。2002年−2006年間、全世界のイスラーム債券発行額は、320億米ドル(約3兆8,000億円)に達し、その成長は年々伸び続けている。2007年の上半期に発行されたイスラーム債券額は、既に30億2,500万米ドル(約3,600億円)を超えている。

 「この5年間に発行された全イスラーム債券の50%以上が、マレーシア国内市場でリンギット通貨で発行されたもので、国際市場で米ドルで発行されたイスラーム債券は、既に発行された全イスラーム債券の41%に達している」

 一方、国際市場で発行されているイスラーム国債では、ドバイが最も多く10億米ドル(約1,200億円 )相当、続いてカタールが7億米ドル(約840億円)、マレーシアが6億米ドル(約720億円)、ドイツが1億ユーロ(約160億円)である。「インドネシアがすぐにイスラーム国債を発行するのを期待している」と彼は述べた。

【ant記者】

注1)イスラーム投資家:イスラーム法に基づいて投資を行なう投資家
注2)シャリア:イスラーム法
注3)イスラーム資金:イスラーム法に基づく資金


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ec0707091kk)

原題:Indonesia belum Manfaatkan Investor Syariah dan Dana Timteng
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=299412&kat_id=256



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