2007年5月22日(火)

シャリア・マンディリ銀行はシャリア・クレジット・カ−ドを検討中

 シャリア・マンディリ銀行(略称 BSM:注1)は、市場導入を予定しているシャリア・クレジット・カードの事業化を検討している。「想定されるクレジット・カード契約者数が、事業化に見合う数に達していない。事業化についてはまだ検討中」と5月21日(火)にジャカルタで、同行生産開発部長のフィルマン・ジャトミコ氏は語った。

 フィルマン氏によると、クレジット・カード事業の実現には、少なくとも300万人の顧客が必要なのだという。同行は、今年中に顧客数が100万人となるよう、事業の拡大を目指す。「我々の顧客は、現在まだ80万人程度だ」と同氏は語る。

 一方、インドネシア銀行は、シャリア・クレジット・カード事業化への後押しはしていない。クレジット・カードは、消費癖や浪費癖を増加させるという見方もある。「この問題は、イスラーム法との関連で未だ議論の対象となっており、このことがカード事業化の争点になっている」とフィルマン氏は発言した。

 同行は事業化の検討を続けてはいるが、一方でデビット・カード事業を推進している。「このサービスは既に行われているためだ」と同氏は説明した。

 インドネシア・ウラマ評議会(注2)の全国イスラーム法協議会は、シャリア・クレジット・カードの発行を許可するファトワ(注3)no 54/DSN-MUI/X/2006を発令した。BSMは、シャリア・クレジット・カードの登場を望んでいるイスラーム銀行の一つである。

 投資信託の販売
 フィルマン氏はさらに次のように語った。同行は投資信託商品の販売促進のため、投資信託を扱っている企業(信託投資株式会社、マダニ全国資本株式会社、バタサ)との提携についても検討中である。

 同行では以前、500億ルピア(約7億円)の投資信託を販売をしていたが、その後低迷している。この提携は同行の試みである。「投資信託商品を販売する唯一のイスラーム銀行として、投資信託の償還が続いた結果、急落した投資信託商品の販売を、以前の500億ルピア水準まで回復させるつもりだ」

 同行は今年、いくつかの企業と提携して投資信託の販売増加に務めていく。しかしフィルマン氏は、同行の投資信託の販売低下に関する質問への回答を控えた。「この投資信託のビジネスを強化するため、インドネシア国立銀行証券以外にもバタサ、マダニ全国資本株式会社や投資信託株式会社との提携についても検討中である」

 企業と提携することで、顧客はより多様な投資信託商品を選択する機会を得る。我々は当行でも他の商品を開発するつもりである。「購入したい投資信託諸商品を、自分で選択する機会を人々に与え続けたい」とフィルマン氏は発言した。

 実際の数
 80万人

 現時点のシャリア・マンディリ銀行の顧客数

注1) シャリア・マンディリ銀行(略称 BSM): シャリアはイスラーム法を意味し、インドネシアでこの法に基づいた形で運営されている銀行の一つ。
注2) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
注3) ファトワ: イスラーム法に基づく宗教学者の見解


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ec0705221kk)

原題:BSM Masih Kaji Kartu Kredit Syariah
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=293964&kat_id=256



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