2007年4月04日(水) 「イスラーム塾を通じたイスラーム法に基づく経済構築」 　預言者ムハンマドの生活はとても質素だったが、実際には裕福な友達たちが周りにいたという。特に、彼の妻シティ・ハディージャは、とても裕福な企業家だった。 　アッラーは、弱いイスラーム教徒よりも自立したイスラーム教徒を好む、とムハンマドは主張している。その一つが経済面での自立である。商売は収入を得る手段の中心であると、ムハンマドは語っている。 　ハディース（訳注：ムハンマドの言行録）では、イスラーム教徒が商売に取り組むことの重要性を強調している。イスラーム寄宿塾も例外ではなく、若いイスラーム教徒たちを養成する場所となっている。 　コーラン暗唱のためのイスラーム寄宿塾ウィサタ・ハティの指導者ユスフ・マンスル教諭によれば、ビジネスをよく知り、起業することは、イスラーム塾での重要な課題となるという。しかし、それはどんなビジネスでも良いわけではなく、イスラーム法に基づいたビジネスであるべきだ。つまり、業種も商売のやり方もイスラーム法に適したものとなる。 　「イスラーム塾の方針に基づいた、イスラーム法に適した経済を発足できたら、本当に素晴らしい」と、ユスフ・マンスル教諭はレプブリカ紙に語った。イスラーム寄宿塾ウィサタ・ハティは、時代に乗り遅れたくはないのだ。 　「3兆5千億ルピア（訳注：458億円）規模の可能性があるイスラーム法ビジネスネットワーク、ウィサタ・ハティ・コミュニティを作り上げ、発展させていきたい。目標の10%が達成できれば3,500億ルピア（訳注：45億円）、1%の達成だけでも350億ルピア（訳注：4億6千万円）の規模となる」とユスフ・マンスル教諭は語った。 　その複合的なビジネスネットワークには、研修、カウンセリング、本の出版、教育、マルチレベル･マーケティング、他の様々な事業の開発も含まれている。 　「私たちはネットワークに基づいてビジネスを発展させる。もしうまくいけば、市場の可能性は非常に大きく、発展も早いだろう」と彼は語った。 ＜資金援助＞ 　イスラーム寄宿塾ウィサタ・ハティが作り出し、熱心に取り組んでいるイスラーム塾を土台としたこのビジネスに、関心を持っている企業家がいる。その一人が、プルウォクルトのラシャ・ウタマ社オーナーのワスタム・サリアディ氏である。 　「イスラーム寄宿塾ウィサタ・ハティが取り込んでいる、このビジネスに投資するつもりだ。これは現世だけでなく来世においても、善をもたらすであろう事業のやり方だと思う」とワスタム氏は語った。 　そのため、イスラーム法の銀行用語でカルドゥル・ハサンと呼ばれる無利息の消費貸借の準備ができている。 　「資金は私たちに返す必要はなく、イスラーム寄宿塾ウィサタ・ハティが、今後行なう事業のために使い続ける。また、利益もすべてイスラーム寄宿塾ウィサタ・ハティを発展させる活動に使われるだろう」とワスタム氏は語る。 　ユスフ・マンスル教諭によると、イスラーム塾を土台としたビジネスの発展は、イスラーム塾の自立性にとって非常に重要だという。「イスラーム法に基づいた経済活動を行なえば、イスラーム塾は特に財政面で自立することができる。さらには財政不足に悩む他のイスラーム塾を援助することもできるのだ」と、全国で1,000校あるコーラン暗誦専門のイスラーム寄宿塾たちのネットワーク構築を望んでいる。 　イスラーム法に基づくビジネスは、イスラーム寄宿塾ウィサタ・ハティにとって、特にコーランの暗誦者養成プログラム自立のため、非常に重要である。 　「コーランを暗唱終了まで導く暗唱者養成プログラムは、とりわけ経済的に貧しいイスラーム教徒や孤児を対象としている。このプログラムは、完全に無料で行われている」と加えた。 <早朝の集団礼拝活動> 　4月21日（土）イスラーム寄宿塾ウィサタ・ハティでは、タングランの中部カランでコーラン暗唱終了式を催し、ユスフ・マンスル教諭自ら講話をする予定である。 　「その儀式に先立ち、前夜にマビット(訳注：信仰心を育み、悟る夕べ）を催し、その後に早朝の集団礼拝を行なう。そしてこの早朝礼拝は、その後も続けていく。様々な難しい問題に直面するインドネシア民族にとって、早朝の集団礼拝活動は一つの解決策となるだろう。儀式はアッラーへの賞賛の祈りで締めくくられる」と、ユスフ・マンスル教諭は語る。 　儀式には一般の人も参加できるという。「私達はイスラーム教徒、特にコーラン暗誦者養成プログラムへの寄付提供者の参加を歓迎します」と実行委員会のアフマッド・ジャミール教諭は語った。 （翻訳者:川名桂子） （記事ID:ec0704111kk） 原題：Membangun Ekonomi Syariah Lewat Pesantren http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=289113&kat_id=256 ISEA インドネシア語新聞翻訳 TOPへ