展示品
[作品28]
「アビシニア人の司祭と戦士」

 四世紀にアクスム王国がキリスト教を受容して以来、エチオピアはキリスト教会とともに歩んできた。エチオピア教会は四五一年のカルケドン公会議で異端とされた単性論派に属し、同じ単性論派のエジプト・コプト教会の強い影響を受けつつ、ユダヤ教的な要素も強い独自の教義を保持している。遠征に向かう前なのであろうか、槍とガシャ(盾)を持った戦士が司祭のもとに現れた。質素な上着をまとった司祭は獣皮の寝床にもたれて、戦士の質問に答えている。ここでいうアビシニア人とは、エチオピアの主要民族で、アフロ・アジア語族のセム語派に属するアムハラ語を話すアムハラ人のことである。
 
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