展示品
[作品20]
「ハウダジュ(輿)を載せたラクダを連れたカーフィラ(巡礼隊)」

 上エジプトのナイル流域から東部沙漠を超えて紅海岸に向かう交易路は同時に、イスラームの聖地マッカ(メッカ)、マディーナ(メディーナ)への巡礼路でもあった。ラクダに乗って巡礼に赴く女性を強い陽射しと男性の視線から守ったのが、絵の中央に描かれているハウダジュである。鞍の上に置かれた半円形の高い枠で支えられた白い覆いの中に女性がいる。鞍の脇には羊の革で作った水袋も見える。これもまた沙漠の旅には欠かせないものである。左のラバに乗った男性は腰にピストルをさしている。
 
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