展示品
[作品00]
ジョージ・ロイドの肖像

 ジョージ・ロイドは英国人で、一八四一年からプリス・ダヴェンヌの助手を務め、今回展示されている一連の作品を彼に描くように勧めた人物である。四三年ルクソール近くで銃の誤射により二八歳の生涯を閉じたため、『オリエント画集』はロイドに献呈された。アラブを描いた絵として流布しているが、プリス・ダヴェンヌがロイドをしのんで英国に渡り、学友だったアダム・ヒューストンと合作した肖像画である。顔の部分がまわりと違うタッチなのはそのためだろう。軍人だった父がインド女性との間に設けた子と言われ、その風貌はこの肖像からもうかがえる。アラブの服装でシーシャ(水ギセル)を手にし、腰に短剣を差してラクダの鞍にもたれている。
 
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