AFLANG冬の大会@東京 |
開催日時: |
2003年1月25日(土曜日)午後1時半より午後6時まで |
場所: | AA研4階 研修室
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「ベンデ語(F.12)調査報告」 阿部優子(東京外大院・博士後期) 前半は、ベンデ語とその地域についての紹介が、写真や地図などを使って行なわれた。ベンデの風俗習慣のほか、ベンデ語とトングウェ語について、もともと同一の言語であるが、ベンデがカトリック勢力に取り込まれたのに対し、トングウェはイスラーム勢力乃至伝統宗教のグループであって、さらにこの間にツチやフツが割り込んで、トングウェAとトングウェBに分断された、との見解が示された。 後半は、ベンデ語の、場所を表す小辞の用法について、他のバントゥー言語との比較・対照を交えながら考察。 「The H-Hausa list so far」(英語による発表) John Philips(弘前大学) 発表者は、ハウサ語研究者との交流・情報交換を目的として、1998年にHausa-Lを立ち上げた。以来、今日にいたるまでのメイリング・リスト、インターネット上での諸活動についての紹介がなされた。H-Net など、関連したメイリング・リストなども取り上げられたが、この日は、ネット速度が世界的に落ちるという事件(SQLサーバー2000の欠陥を狙ったといわれる)のあった当日で、ホームページ等のプレゼンテーションができなくなってしまい、まことに残念。 「アラビア語のいわゆる「できごとの代名詞」の構文」 佐藤道雄(広島大学) 「できごとの代名詞」とは、非常にアバウトな言い方をすれば一種の仮主語で、さらにアバウトな説明ではあるが、従来の分析は統語的立場からのもので、伝統文法では、後続する文の内容を先んじて受けるとされ、近現代の研究者は、指示対象を持たない代名詞とみなしている。 アラビア語文法で「できごとの代名詞」と呼ばれているものと、本発表で扱われた代名詞の範囲との間にズレがあったため、論の運びに混乱は見られたが、本発表では、くだんの代名詞の用法を、その文に現れた動詞の意味の点から解明しようとした。分析の結果、できごとの代名詞と共起する動詞は「ある」「である」「ではない」「起こる」など、動詞的でない動詞ばかりであることが明らかとなった。 (文責:榮谷温子 AA研『通信』107号掲載予定) |
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