アラビア語の定冠詞
                     
                                               栄谷　温子
                                               <harukos@aa.tufs.ac.jp>
                                               　

0. 序
　正則アラビア語の定冠詞の形式に関しては、これまで伝統文法家たちなどによって
諸説が述べられてきているが、統一した見解はない。本稿ではそれらの説を概観し、
定冠詞の形式をめぐる問題点について考えてみたい。なお、本稿でアラビア語と言っ
た場合、特に断りのない場合を除いては、それは正則アラビア語を指す。

0.1 先行研究
　tarazii(1962), <abduhu(1973:51-58), Hasaaniin(1990) らの先行研究に基づき、
おもに古典アラビア文法家の見解をまとめる。

0.2 転写方式
　アラビア語の転写には、子音・半子音に関しては、アラビア語のアルファベット順
に、以下の文字を用いる：

子音
　7　声門閉鎖音
　b　有声両唇閉鎖音
　t　無声歯歯茎閉鎖音
　th　無声歯摩擦音
　j　有声歯茎硬口蓋破擦音
　H　無声咽頭摩擦音
　x　無声軟口蓋摩擦音
　d　有声歯歯茎閉鎖音
　dh　有声歯摩擦音
　r　有声歯茎ふるえ音
　z　有声歯歯茎摩擦音
　s　無声歯歯茎摩擦音
　sh　無声歯茎硬口蓋摩擦音
　S　無声咽頭化歯歯茎摩擦音
　D　有声咽頭化歯歯茎閉鎖音
　T　無声咽頭化歯歯茎閉鎖音
　Z　有声咽頭化歯摩擦音
　<　有声咽頭摩擦音
　gh　有声軟口蓋摩擦音
　f　無声唇歯摩擦音
　q　無声口蓋垂閉鎖音
　k　無声軟口蓋閉鎖音
　l　有声歯歯茎側音
　m　有声両唇鼻音
　n　有声歯歯茎鼻音
　h　無声声門摩擦音

半母音
　w　両唇軟口蓋音
　y　硬口蓋音

母音
　a　低非円唇短母音
　aa　低非円唇長母音
　i　高前舌非円唇短母音
　ii　高前舌非円唇長母音
　u　高後舌円唇短母音
　uu　高後舌円唇長母音

二重母音
　/ai/, /au/ は便宜上、ay, aw　とする。

　なお、紛らわしくなるので、固有名詞の転写の際も、頭文字は大文字にしない。

0.3 その他略号等
　Ｃは子音を、Ｖは母音を表す。


1. アラビア語の定冠詞の形についての諸説とその根拠、およびその問題点
　古典アラビア語文法ではアラビア語の定冠詞の形式として、以下の６つが考えられ
てきた。本節では、それらの形式を提示し、それぞれの根拠と問題点とを整理する。

1.1　　7al　（al-xaliilの説）
  このＣＶＣという構造は、他の小辞の形とも適合する。ＣＶＣという構造を持つ他
  の小辞の例としては、hal（疑問辞）、bal（〜でなく...）<an （〜について、〜
から）kam （いくつ）等々がある。しかし、定冠詞の語頭の 7a 音は文中で、つまり
他の語に先立たれた場合、脱落してしまう。例えば：
　　　7al-bayt　　　　　その家
　　　haadha-l-bayt　　この家
ただし、7 音のみの脱落の現象は珍しいことではなく、
　　　ta7riix（歴史）＞　taariix
　　　mu7min（信者、敬けんな人）＞　muumin
などの例がある。
　このようにしてみると、定冠詞は多用されたため、語頭の 7 が脱落するようにな
ったとも考えられそうである。しかし、それでは何故後続する母音 a まで一緒に脱
落するのかという問題が出てくる。

　7a の脱落する稀な例として、<abduhu(1973:18-20) はアラビア語の動詞派生形第
４形（語頭に 7a を伴う形）を挙げる（動詞語根の３子音を、f, <, l とする。）：
　　　完了形：　7af<ala
　　　未完了形：yuf<ilu
　　　能動分詞：muf<il
  未完了形は *yu7af<ilu ではなく、またいわゆる能動分詞も *mu7af<il ではない。
ただしこの２例では、7a が脱落しても語形上の問題、具体的に言えば子音衝突は起き
ない。

　一方、<aadat（彼女は帰った）に、主語 7al-bintu（その少女は）を後続させた場
合を考えてみよう。文中に来た定冠詞 7al の 7a が脱落するので
　　　*<aadat-l-bintu
となり、t-l-b と三子音が連続してしまう。（正則アラビア語で子音連続が許される
のは語頭以外でかつ二子音までである。）この三子音連続を避けるため、わざわざ新
たな子音 i を挿入し
　　　<aadati-l-bintu
としている。しかし、もしここで 7 のみを脱落させ、母音の a を残しておけば
　　　*<aadat-al-bintu
と、始めから子音連続は起こらなかったはずである。この点から言えば、母音 a は不
可欠な要素であるはずだが、それを脱落させてしまうとはつじつまが合わない。
　また、そもそも、多用されるため、7 或いは 7a が脱落するというのであれば、なぜ
文中でのみ脱落し、文頭や休止の直後では脱落しないのかという疑問も残る。

1.2　　al　（siibawayhi の説？　次項で述べるように、siibawayhi は定冠詞を l と
したと解釈する向きもあり、疑問符を付しておく）
　語頭のハムザは、1.1では、切断ハムザ（常に声門閉鎖音で発音される）とされた
が、この説明では、連結ハムザ（その前に別の音が来ると消失する）で、定冠詞は連
結ハムザと l との二語根であるとする。
　連結ハムザを、単に音韻上の理由から添えられた挿入音としてだけでなく、語幹を
なす一音として扱うのは決して奇異なことではない。例えば、動詞の派生形第８形（以
下に見るように、動詞語根の第一子音と第二子音の間に ta を挿入する）：
　　　完了形：　ifta<ala
　　　未完了形：yafta<ilu
の完了形の語頭の連結ハムザ i は、ft- という二重子音が語頭に来るのを防ぐため
添えられたとも解釈されよう。そしてもしそうならば、その語幹を形成する子音は、f, 
t, <, l の４子音ということになる。

　ところが、派生形第２形 fa<<ala（f, <, <, l の４子音からなる語幹）、四語根
動詞の例えば tarjama（翻訳する）の未完了形は、それぞれ yufa<<ilu と yutarjimu 
で、yu-、つまり未完了形の接頭辞の母音が u になる。それに対し、派生形第５形 
tafa<<ala（t, f, <, <, l の５子音の語幹）の未完了形は、yatafa<<alu で、ya-、
つまり接頭辞の母音が a である。

　派生形第８形 ifta<ala の未完了形も、yafta<ilu で、ya-、つまり５子音 (連結ハ
ムザ, f, t, <, l) の語幹を持つ動詞と同じ形を取っているのである。このことから、
第８形の語頭の連結ハムザは語幹を形成する子音のひとつとみなされる。同様のこと
が名生計第７形（完了形 infa<ala）および第９形（完了形 if<alla）にも言える。
　しかし、al という形そのものには問題が残る。まず、アラビア語には、ＶＣという
構造の語はない。li（〜のため）、wa（そして）、bi（〜によって）、ka（〜のよう
な）などＣＶ構造の小辞はあまたあれど、ＶＣはないのである。
　さらに、語頭の a が本来のものであるならば、なぜ脱落してしまうのかという疑問も出てくる。

1.3　　l
　siibawayhi の説？
　後世の文法家たちの多くは、siibawayhi が、定冠詞はｌであるとしたと解釈して
いる。この説の利点は、非限定形との関係において、調和のとれた説明のできること
である。
　すなわち、限定の標識が語頭に付く l-、非限定の指標が語尾に付く -n （但し、い
わゆる二段変化の名詞など、非限定でも -n をとらないものは少なくない）というわ
けである。（ちなみに、アラム語では名詞の語尾に限定辞が付く。）

　他方、問題点としては、まずアラビア語にはＣのみという構造の語は存在しない、
ということが挙げられる。前節で述べたように、最も短いものでもＣＶ形をとる。
　さらに、このｌは、太陽文字といわれる子音（アラビア語の子音は、太陽文字 
al-Huruuf ash-shamsiyyah と月文字 al-Huruuf al-qamariyyah とに分けられ、前者
には、sh のほか、t, th, d, dh, r, z, s, S, D, T, Z, l, n が含まれる。後者には、
q のほか、7, b, j, H, x, <, gh, f, q, k, m, h, w, y が含まれる。つまり、l + l 
も l が l に同化したものとして扱われる）の前ではそれと同化してしまい、本来の
形であるはずのｌ音がしばしば失われてしまう。

　また、ｌの前に付く母音 a に関しても、問題が出てくる。ｌに名詞が後続すると、
ｌと名詞の語頭の子音とで二重子音になってしまうので、これを、文頭や、子音で終
わる語の後にそのまま置くことはできない。そこで、母音が挿入されたと考えられる
わけだが、通常、ＣＣの前に補われる母音は、i なのである。例えば、派生形第７形の 
infa<ala、第８形の ifta<ala、第９形の if<allaの語頭の i、また ibn（息子）、
ism（名前）などの名詞の語頭の i、命令形の idhhab（男性単数に対して「行け」）
などの語頭の i が挙げられよう。頻度は落ちるが、u のこともある。例えば、udxul
（男性単数に対して「入れ」）など。しかし、a が補われる例はない。

1.4　　7a
　al-mubarradの説。
　7a が定冠詞だが、疑問辞の 7a（文頭に置かれ「〜ですか」）と区別するため、ｌ
を添えたと説明される。が、これには、以下に述べるように、問題点が多い。

　まず、多義語というものは普通に存在しており、7a が、定冠詞と疑問辞の両方に
用いられても、何ら不都合はないはずである。例えば、maa は疑問詞・否定辞・接続
詞のほか、非限定名詞にも付くなど、様々な意味・機能を持つ。
　また、疑問辞と区別するために添えられたのが、なぜｌなのか、その子音ｌの必然
性が何もない。
　さらに、上述のように、7a は、文中で脱落するのである。なぜ、定冠詞そのもので
ある 7a が消えて、添え物にすぎないはずのｌが残るのか。この点も説明できない。
　そして、北アラビア語の諸方言を見ても、ｌのない定冠詞をもつ方言はないのであ
る。

1.5　　hal
　W. Wrightの説。
　ヘブライ語の定冠詞が ha であり、アラビア語では、その h が 7 に変化した、と
いう説明である。
　だが、アラビア語には、ｈで始まる語も多く存在し、ｈ が 7 に変化しなければな
らないということはない。（ただし、ヘブライ語の ｈ と、アラビア語の 7 の対応
自体は、他にも見られる。ヘブライ語の動詞のヒフイル形 hif<il が、アラビア語の
派生形第４形 7af<ala に対応している、など。）

　さらに、そもそも、ヘブライ語の定冠詞とアラビア語の定冠詞とは、同一起源では
ない。Moscati は、限定・非限定を表すセム祖語の形式を再構築することはできない
と断言している。すなわち、セム語に共通の限定辞というものはなく、アッカド語や
エチオピア語には、限定辞がなく（エチオピアのゲエズ語では、人称代名詞で代用）、
アラビア語・ヘブライ語・アラム語・南アラビア語では、それぞれ異なる限定辞が用
いられている。
　ただし、その一方で Moscati はまた、ヘブライ語の定冠詞とアラビア語の定冠詞
の間に何かしらの関係があるかも知れないとして、h と 7 の交代と、その後の子音
を重複させることという共通点とを指摘している。つまり、アラビア語においては、
子音を重複させるという現象が、一部の子音の l への同化という形となったのだと
する。

1.6　　il
　<abuduhの 説。
　以上の議論を概観し、<abuduh は、アラビア語の定冠詞を、il と考えた。これは、
多くの方言に見られる形である。彼の考えでは、正則アラビア語の定冠詞は、もともと 
il であったが、そこに、いずれかの方言から、文頭でも文中でも al という形を取る
定冠詞、つまり、
　　　　al-walad Tawiil「その少年は背が高い」
のように、文頭で al- となる（これは正則アラビア語と同じ）とともに、
　　　　*Darabat-al-walad「彼女はその少年を打った」
　　　　（正則アラビア語では、Darabat-i-l-walada となる）
のように、文中でも al の形を保つ定冠詞が入り込み、文頭では al-、文中では il-
となる、現在の定冠詞となったのではないかというものである。連結ハムザが語幹に
なりうることについては、既に 1.2 で述べた。

　こうした少数派の a 音の採用の例としては、未完了形の接辞の母音がある。ほと
んどの方言で、未完了形の接辞は、yi- のように、i という母音を取っているが、正
則アラビア語では、ya- あるいは yu- である。
　しかし、<abduhu は、その al- を持つ方言がどこに実在するのかについては、全く
述べていない。また、このil という形式は、ＶＣという構造であり、1.2で述べたの
と同じ問題（アラビア語に他にＶＣの構造を持つ語のないこと）が生じる。


2. アラビア語の定冠詞の形式に関する問題点
　以上、先行研究に基づいて、アラビア語の定冠詞についての主な説を見てきたが、
どの説にも多かれ少なかれ不備があり、定冠詞の形式の確定は難航している。その確
定を困難にしている要因を整理すると：
　１）a が文中で脱落してしまうこと。
　２）l が太陽文字に同化してしまうこと。
　３）アラビア語にＣやＶＣという構造の語のないこと。
の３点にまとめられるだろう。

2.1　a の文中での脱落
　a を、l + 名詞の語頭子音　という子音連続が文頭で起きないように添えられただ
けの母音と考えるのは不自然である。なぜなら既に1.3で述べたとおり、そのような
母音は通常 i のはずである。a あるいは連続ハムザはやはり語幹を構成する音の一
つととらえた方がよいだろう。語幹を構成する連続ハムザが脱落する例として、1.2
で動詞第８形を挙げた。
　しかし、上述のように a が脱落するために子音連続が起きてしまい、別の母音 i 
を挿入するという手続きを踏まねばならないとき多々がある。これを <abduh は、逆
に il が本来の形式で、語頭にたつときのみ a という母音をとると解釈したのだった。

2.2　l の同化について
　次に、l が半数の子音に同化する現象について、Moscati はヘブライ語の定冠詞の
例から、これは同化ではなく、もともとは名詞の語頭子音を重複させていたものでは
ないかと述べたが（1.5参照）、これには賛成しかねる。ｌが同化する太陽文字の調
音点を見ると、
　　１）歯音：th dh Z
　　２）歯歯茎音：t d z s S D T l n
　　３）歯茎音：r 
　　４）歯茎硬口蓋音：sh
　このように、調音点がひとつのまとまりをなしている。そして、月文字すなわち l 
が同化しない子音は、その前（両唇音・唇歯音）と後ろ（硬口蓋音・軟口蓋音・口蓋
垂音・咽頭音・声門音）で調音されている。例外は j の歯茎硬口蓋音だが、これは
もとを正せば g つまり軟口蓋音であり（セム祖語はもちろん、現代の口語アラビア
語でも正則アラビア語で j にあたる子音を g で発音するものがある。）太陽文字の
調音点の域内には入らない。

　こうしてみると、最初に子音の重複があって、後にその一部がｌに置き換わったと
考えるより、やはり l と調音点の近い子音が l に同化し、そうでない子音は同化し
なかったと考える方が自然ではないだろうか。

2.3　ＶＣという構造について
　以上のことから、正則アラビア語の定冠詞は、母音（a または i）+ l ではないか
と考えたのだが、1.2および1.6で述べた、アラビア語にＶＣという構造の語は存在し
ないという問題点が持ち上がってくる。
　もし、al- や il- を独立した一語ではなく、名詞の語頭の屈折と解釈すれば、この
問題も解決する。つまり、ある名詞が非限定の場合は、語頭がゼロ、語尾に -n（ただ
し1.3参照）で、限定の場合は、語頭が al-/il- で、語尾がゼロ、という解釈である。
そうなれば、例えば：
　　　　al-kutubu　　the books（主格）
を一語とみなすことができ、その構造は VCCVCVCV となり、動詞の派生形第７形
（infa<ala）、第８形（ifta<ala）と同じになる。

　しかし、非限定の -n は、二段変化の名詞（属格と対格が同形）には現れない。ま
た双数形と男性名詞の規則複数形なども同様で、語頭の定冠詞の有無に関わらず、語
尾の形は一定である（ただし次に属格の名詞が後続した場合は別。ここではこれ以上
の説明はしない）。それに対して、定冠詞 al-/il- は、l の同化を除けばほぼ同一の
形式を保っている。これは、屈折ではなく膠着的な形態素で、非限定の -n とは性質
がやや異なる。

　ここで、al-/il- を、1.2で例に挙げた小辞：li（〜のため）、wa（そして）、bi
（〜によって）、ka（〜のような）と比較してみる。例えば、wa は：
　　　　waladun wa-bintun　　　　　　　 a boy and a girl
　　　　waladun Tawiilun wa-samiinun　a tall and fat boy
　　　　7akala wa-shariba　　　　　　　 He ate and drank.
のように、名詞、形容詞、動詞などさまざまな語に付くことができる。li も、動詞
や名詞、代名詞、疑問詞などに、bi も、名詞・代名詞・疑問詞などにつくほか、
li-7anna〜　や bi-7anna〜　という形で（7anna：英語の接続詞 that にだいたい相
当する）節にも付くことができる。ka も名詞や 7anna 節をとることが可能である。
　それに対し、al-/il- は、名詞か形容詞にしか付くことができない（<abduh が動
詞に付く例があると言っているが、ここでは深入りしない）。
　こうしてみると、al-/il は、他の小辞に比べ非自立的と言える。名詞の屈折では
ないにせよ、名詞・形容詞（動詞のいわゆる分詞形も含む）に付くことしかできない
附属形式なのである。（服部 1950 を参照）これを、上に挙げた li, wa, bi, ka の
ような自立的な「語」と同列に考えることはないのではないだろうか。
　つまり、al-/il- は、その後ろにさらに別の音連続すなわち名詞・形容詞が必然的
に来るもので、ＶＣという構造が独立しているのではない。そこで、「アラビア語に
ＶＣという構造の語はない」という反駁に答えることができる。定冠詞は独立した
「語」ではない、と。


3. おわりに
　正則アラビア語の定冠詞の形の確定は難しいが、本稿では、定冠詞を自立した一語
とみなさないと言う立場に立つことで、解決に近づこうとした。
　この問題は、単に定冠詞の形というのみでなく、例えば関係代名詞（alladhiiなど。
語頭にal- がつく）にも関係する問題である。さらに考察を深めて行きたいと思う。



参考文献：

<abduh, d. (1973). "7abHaath fi-l-lughah al-<arabiyyah." maktabah lubnaan, 
　　Beirut.

Moscati, S. (1980). An Introduction to the Comparative Grammar of the Semitic 
　　Languages: Phonology and Morphology. Otto Harrassowitz, Wiesbaden. 初版は
　　1964.

Hasaaniin, f. <a. (1990). "7adaat at-ta<riif fi-n-naHw al-<arabii: dalaalah, 
　　wa-sti<maalaat." maTba<ah al-7amaanah, Cairo.

tarazii, f. (1962). 7adaah at-ta<riif fi-l-<arabiyyah. "al-7abHaath," "15," 
　　478-484.

服部四郎 (1950). 「附属語と附属形式」「「言語研究」」"15," 1-26.