AA_年報2023
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 JaCMESは,2005年にレバノン政府の閣議決定による認可を得て2006年にベイルート市中央区に設置された,AA研の海外研究拠点です。周囲には,レバノン議会議事堂,国の式典などが挙行される殉教者広場,レバノンで最大のムハンマド・アルアミーン・モスク,マロン派教会,ギリシア正教会,首相官邸,在レバノン日本大使館などがあります。 JaCMESでは常駐の特任研究員(現員:篠田知暁)が現地研究に専念するとともに,AA研の共同利用・共同研究課題(現プロジェクト「接続する海としての地中海」 研究代表者:篠田知暁)が実施されています。 さらに,「ベイルート若手研究者報告会」を2006年以来ほぼ毎年開催し,大学院博士後期課程以上の若手研究者を対象に公募・選考して派遣し,レバノンや中東・ヨーロッパ諸国からコメンテータの研究者を招聘して,研究発表と討議の場を提供しています。若手研究者にとっては,自らの研究を海外の専門研究者の前で発表し,質疑を通して評価を得る貴重な機会になっています。このほか,ベイルート・アメリカン大学をはじめとする諸大学やベイルート・オリエント研究所(ドイツ)などの研究機関との共催による公開講演会や現地研修セミナーを開催するほか,映画会議も開催し,日本から関係研究者を招聘するなど,歴史・経済・文学・芸術・社会・環境問題など多岐にわたる学術交流を推進してきました。https://meis2.aa-ken.jp/base_beirut.html 海外研究拠点KKLOは、2008年3月1日にマレーシア国サバ州コタキナバル市に開設されました。同オフィスは,東京外国語大学が2005年度から5年計画で実施している中東イスラーム研究教育プロジェクトの一環として設置されたもので,ベイルートに既に設置されていた中東研究日本センターに続く同プロジェクトによる2番目の海外研究拠点です。 KKLOは,東南アジアにおける政治・社会・文化に関する総合的学術研究拠点として,サバ州政府により設立されたサバ開発研究所(Institute for Development Studies [略称:IDS])の全面的な協力により,同研究所内に設置されました。設置以来,KKLOでは,日本人研究者によるコタキナバルでの現地講演会や,東南アジアの研究者との合同による国際ワークショップやシンポジウム等を定期的に開催しています。 なおKKLOの位置するサバ州は,ブルネイ,インドネシア,フィリピン等の東ASEAN成長地域,南シナ海及びインド洋の交差点にあたり,多様な文化の交流地域を形成しています。AA研は,アジア海域世界のダイナミズムの解明にとって最適なこの地を研究拠点とし,マレーシア,日本及び関連諸国の研究者と関係者に利する多様な国際共同研究プログラムを今後とも推進していきます。https://meis2.aa-ken.jp/base_kotakinabalu.html20Overseas Satellite Offices海外研究拠点http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/projects/satellite中東研究日本センター(略称JaCMES)コタキナバル・リエゾンオフィス(略称KKLO)

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