AA_年報2023
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「ナラティブをめぐる形態統語論」「アイヌ語現地調査資料のアーカイブズ構築にかんする学際的研究(2)」8 言語学者がよく知られていない言語を調査する際,基礎語彙の収集や文法調査に続いて民話やライフヒストリーなどに代表されるナラティブを自然発話のサンプルとして収集し,文法記述に用います。しかしナラティブで語られるのは多くの場合,発話場面と時空間的に離れたところで起こったできごとで,これは人間の言語生活全般から見るとやや特殊なジャンルであるといえます。このジャンルは各言語の特徴をどのくらい映し出しているといえるのでしょうか。この問いに答えるため,このプロジェクトでは様々な言語におけるナラティブと会話のデータを対照し,それぞれのジャンルが示す形態統語論的特徴を探るとともに類型化を試みます。また,研究に用いられるテキストコーパスのよりよい規格についても議論を行います。http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/projects/jrp/jrp276 2014年度にAA研に寄贈された史上最大級のアイヌ語調査資料について,資料そのものの分析(内容の把握,資料相互の関係の理解など),遺族・現地との関係の維持と人権の保護,保存と公開および利用の促進などの諸側面にわたり,よりよいアーカイブズ構築の方法を探求し具体的な実践を進めるために,言語学,歴史学,音楽学,資料・アーカイブズ学,音声データベース工学などの専門家が協同して学際的な研究を行っています。許諾が得られた資料については,オンラインでの公開を随時進めています。http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/projects/jrp/jrp266Joint Research ProjectsLinguisticsMAP研究代表者:塩原朝子(AA研)AA研所員:倉部慶太,児倉徳和,渡辺己共同研究員:稲垣和也,遠藤智子,大野仁美,木本幸憲,熊切拓,中川奈津子,成田節,野元裕樹,Nicholas EVANS, Stefan SCHNELL, Danielle BARTHMAP研究代表者:奥田統己(札幌学院大学)AA研所員:山越康裕共同研究員:阿部佳恵,欠ヶ端和也,菊池英明,児島恭子,小林美紀,阪口諒,高橋靖以,直川礼緒,中川裕,深澤美香,山田慎太郎,吉川佳見共同利用・共同研究課題言語学系

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