A Guide to ILCAA (ja/en) 2015
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2 アジア・アフリカ言語文化研究所は昨年,創立50周年を迎えました。 本研究所はこの50年,国内外の専門研究者,とりわけ共同研究員の方々とともに,主として言語学,人類学,歴史学の3分野でアジア・アフリカ研究に取り組んできましたが,人文・社会科学系で初めての全国共同利用研究所として創設されてから半世紀を経て,研究所を取り巻く環境は一変しています。50年前とは比べものにならないほど,アジア・アフリカの言語・文化・歴史を学べる場が増え,日本人一般の理解も深まった一方で,グローバリゼーションの進行にともない,研究対象であるアジア・アフリカ地域の動向が日本のみならず地球社会全体に直接的な影響を及ぼすようになりました。特に冷戦構造が崩壊した20世紀末以降,この地域で頻発している様々な形の紛争は人類の未来に暗い影を落としています。とはいえ,現実の歴史や現場での経験は,言語や文化,宗教・宗派が異なるからと言って,人びとが必ずしも対立するわけではないことを教えており,本研究所はいま,アジア・アフリカのこうした懐の深さに注目して,この地域の多様な言語・文化のあり方をモデルに,未来の多元的世界の発展可能性を追求しようと試みています。 当研究所は2010年度から新設の「共同利用・共同研究拠点」制度の下で,「アジア・アフリカの言語文化に関する国際的研究拠点」として新たなスタートを切りましたが,大学の枠にこだわらない姿勢に変わりはなく,国内外の広範な研究者の参加を得て,共同研究を展開しています。本研究所は次の50年も,最新の研究動向を踏まえつつ,より一層開かれた研究拠点として,国内外の研究者コミュニティとの連携を強化・拡大し,世界トップレベルの研究成果を発信して行く所存です。所員一同,時代の変化に即した新たなミッションを遂行すべく決意を新たにしておりますので,皆さまのより一層のご指導・ご支援をお願い申し上げます。平成27年4月 アジア・アフリカ言語文化研究所 所長The Director,Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Africa (ILCAA)次の50年へ、次代の変化に即した新たなミッションを担って

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