共同研究13概 要研究共同利用・共同研究課題(共同研究プロジェクト)集 い 、 究める共同利用・共同研究拠点である本研究所にとって、所員が所外の研究者と共同で推進する共同利用・共同研究課題(共同研究プロジェクト)は、もっとも大切な研究事業のひとつです。プロジェクトに参加する所外の研究者は、AA研の「共同研究員」の身分を委嘱されます。各プロジェクトは毎年、所外の研究者を含む「共同研究専門委員会」によって、その研究成果や広報、そして学術的意義において評価されます。これまで数多くのプロジェクトが組織され、約650点におよぶ出版物や、オンライン辞書・データベースなど、多様な研究成果をあげています。http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/projects/jrp/2011(平成23)年度に進行中の研究課題以下のリストでは、大きく分野ごとに分けていますが、多くの研究プロジェクトが複数の分野にまたがるテーマを扱っています。■言語学系【朝鮮語歴史言語学のための共有研究資源構築】2009〜2011年度 代表者:伊藤 智ゆき 所員1/共同研究員16古代〜現代という長期に亘る朝鮮語の歴史言語学的研究においては、表記法上の制限(15世紀にハングルが創製されるまでは朝鮮語は基本的に漢字のみで書き表されていた)や、文献間もしくは一文献内における言語学的現象の揺れや非一貫性、といった問題点を克服するため、専門的かつ厳密な書誌学的検討、 膨大な資料のデータ処理、歴史的発展を辿るための現代朝鮮語諸方言研究等、一個人の研究ではカバーしきれない、多様な研究知識と経験、分析技術、研究資源の蓄積が必要とされる。本研究プロジェクトでは、朝鮮語史研究を専門とする多くの研究者が共同でこれら問題点の多角的検討に当たり、研究資源共有のための技術開発、構築手法の研究を進めながら、主としてwwwサイトを通じ研究資源・成果を公開していくことで、朝鮮語史研究の更なる発展と、広く朝鮮語研究・言語学研究一般への国際的貢献を目指す。http://www.krling.com/【宣教に伴う言語学(第2期)】2009〜2011年度 代表者:豊島 正之 所員2/共同研究員7大航海時代のキリスト教宣教に伴って16〜17世紀に作成された布教対象語の研究書(辞書・文法書)及び宗教書(教義書・修徳書等)を、ラテン文法は、全く系統の異なるアジア・アフリカ・南米の諸言語との最初の言語学的邂逅の記録として、「宣教に伴う言語学」という言語学史の新領域の研究対象を形成している。「宣教に伴う言語学」は、21世紀に入ってからの研究の進展がめざましい若い研究分野である。 大航海時代の「宣教に伴う言語学」に関連する資料・史料は、歴史的経緯から世界各地に散在しており、研究者も、南米、アフリカ、インド、フィリピン、中国、日本と分散している。又、「宣教に伴う言語学」研究には、当時のラテン・スペイン・ポルトガル語以外に、各布教対象語の十分な知識が必要であり、これらの条件から、必然的に、国際的な共同研究が要請される。 本プロジェクトの目的の一つは、 大航海時代の「宣教に伴う言語学」の国際的な共同研究のために必要なリソース、関連する文献学・言語学の研究リソースを作成・維持し、国際的共同研究に資する点にある。日本学術振興会(JSPS)「先端学術研究人材養成事業」(2009)の一つとして、本プロジェクトの「大航海時代の「宣教に伴う言語学」研究のための非一極集中型研究環境の構築」プログラムが採択され、(http://joao‐roiz.jp/IRMLG/)、 これによって「宣教に伴う言語学第6回国際会議」(2010年3月16日〜19日、 http://joao‐roiz.jp/MLG2010/)を開催した。これらのプログラム・国際会議の成果に基づき、今後の本プロジェクトの活動は、更に国際的に開かれたものとなるであろう。http://joao-roiz.jp/共同利用・共同研究課題(共同研究プロジェクト)
元のページ ../index.html#15