27共同研究概 要研究言語研修本研究所では毎年夏、専門研究者と母語話者を講師陣に迎え、アジア・アフリカ地域の研究を志す初学者を対象とした短期集中プログラムによる言語研修を実施しています。言語研修に参加することで、現地調査や文献研究を行うために必要な言語知識や調査の手法など、専門的知識も学ぶことができます。研修言語は、おもにアジア・アフリカ地域で話される少数民族の言語を含めた様々な言語を取り上げています。毎年、東京会場で2言語、大阪会場で1言語の研修を実施しています。これまでに実施された言語の数は、のべ114言語、修了者数のべ1101名にのぼっています。修了者の中からは、大学や研究機関の職につき、アジア・アフリカ地域の専門家としての道を歩んでいく方々が輩出しています。実施にあたっては、語学教育に造詣の深いAA研内外の専門委員と担当講師および所員がプロジェクトチームを組み、実施方法や評価についての議論を行い、効果的な研修を目指しています。すべての研修において講師陣が独自に教材を開発していることも、AA研の言語研修の大きな特徴のひとつです。関西会場の研修のうち大阪で実施されるものは、大阪大学世界言語研究センターの協力を得て行われます。研修生は、大学などの研究機関を通じて全国から公募します。研修を修了した人には審査のうえ、修了証書が授与されます。2006(平成18)年度より東京外国語大学外国語学部および大学院の開講科目となりました。2009(平成21)年度は、アカン語、パンジャービー語(東京会場)、モンゴル語(大阪会場)の講座を開講しました。2010(平成22)年度は、アムド・チベット語、スワヒリ語(東京会場)、スィンディー語(大阪会場)の講座を開講予定です。現在、これまでに作成されてきた教材のウェブ上での公開も進めており、完成したものから順次公開しております。http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/training/Documentary Linguistics Workshop (DocLing)ことばを築(言語ダイナミクス科学研究プロジェクト、略称:LingDy)」(p.19)事業が企画・実施を担っています。DocLing 2010講 師:Peter Austin, David Nathan, Anthony Jukes (SOAS, University of London)実施期間:2010(平成22)年2月2日~5日(金)場所:アジア・アフリカ言語文化研究所内容:危機言語・少数言語の記録・保存(ドキュメンテーション・アーカイビング)に焦点をあてたワークショップです。今回は過去2回のワークショップをふまえた、より発展的な内容を扱いました。http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/training/Documentary Linguistics Workshop(DocLing)は、消 滅の危機に瀕した言語の記録・保存(ドキュメンテーション)に焦点をあてた1週間のワークショップで、2007(平成19)年度 からロンドン大 学SOASのHans Rausing Endangered Languages Project(http://www.hrelp.org/)と連 携し、言語ドキュメンテーション分野を代表する研究者(ロンドン大学SOASのPeter Austin 氏、David Nathan氏)らを講師に迎え、日本の記述言語学分野の若手研究者に言語ドキュメンテーションの理論を習得させるものです。このワークショップは、文部科学省特別経費による「急速に失われつつある言語多様性に関する国際研究連携体制の構言語研修Documentary Linguistics Workshop (DocLing)ことばを教える
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